改正案は、旧宮家から男子を養子として皇族に迎えることを認め、養子の男性子孫については皇位継承の資格を持つと明記した。
ふに落ちないのは、賛否を保留していた衆院野党第1党の中道改革連合が、土壇場で賛成に回ったことだ。
養子の子の皇位継承資格について中道は、付帯決議で見直しの対象とするよう求めていたが、与党側は修正に応じなかった。なのにどうして賛成に回ったのか。
「立法府における将来の検討を縛る趣旨ではない」との政府側の答弁で、修正に関し「一定の担保が取れた」からだという。苦し紛れの説明というほかない。
案の定、西村智奈美副代表が改正案に反対の考えを明らかにした上で、出張中のため本会議を欠席。ほかに4人の議員が議場を退席した。
「立法府の総意を踏み越えており、国民には理解できない」との理由で。
改正案に疑問を投げかけていた野田佳彦元首相は賛成に回った。
「本来なら反対すべきだが、党の決定通りに行動した。長い間、議論に関わってきたが、私にとっては敗北だ」
皇室典範改正を巡る中道の対応は、この党が抱える深刻な問題、先行きの不透明さをあらためて浮き彫りにしたといえる。
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養子案については、中道の中の立憲民主系と公明系議員の間で、考え方の隔たりがあった。党として賛成に回ったのは、党内に亀裂が走るのを避けるための苦肉の策だともいえる。
しかし参院では、立民が法案に反対する考えを明らかにしている。中道と参院の立民、公明3党の合流協議が順調に進むとはとても思えない。
問題は、皇室典範改正を巡る対応だけではない。
名護市辺野古の新基地建設を巡って、中道は曖昧な態度に終始し続けた。
9月の県知事選についても小川淳也代表は、党として支持に関する機関決定はしない、との見解を示した。
中道の沖縄2~4区の総支部長3氏は玉城デニー氏の支援を表明。一方、公明党県本は古謝玄太氏を推薦する方針。ここでも深刻なねじれが表面化している。
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「高市1強」とも言われる現在の政治状況は、首相の個人人気だけでなく、中道のふがいなさや敵失によるところが大きい。
中道は政党として一体、何がしたいのか。
中道、立民、公明が重要政策を一致させた上で合流し、高市政権に対抗する野党として別の選択肢を示すことができれば、政治は変わる。
重要な政策で意思統一が図れず排除の論理が表面化するようなことがあれば、合流は遠ざかり、有権者からも見放されるだろう。

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