カフェ・定食・うなぎ…有力外食ブランドのM&Aがこのところ花盛り!

有力外食ブランドのM&Aが相次いでいる。カフェ、定食、うなぎ…。

その業態も多様だ。さらに、ここ数年、外食M&Aのホットコーナーの様相を呈するラーメンでも動きが絶えない。

コロワイド、440億円を投じてカフェに本格参入

年度末にあたる3月、外食産業の大型M&Aが連続した。先陣を切ったのは「牛角」「大戸屋ごはん処」などを展開するコロワイド。

ターゲットとしたのは独立系投資会社のロングリーチグループ傘下でカフェチェーンの「珈琲館」や「カフェ・ベローチェ」を運営するC‐United(東京都港区)。買収発表から3週間後の4月1日付で全株式を取得し、子会社化を完了した。手薄だったカフェ事業の基盤拡大が狙いだ。

買収金額は約440億円。コロワイドにとって過去最大の買収であるばかりか、国内の外食企業同士のM&Aとしてもこれまでで最も規模が大きい。

カフェ・定食・うなぎ…有力外食ブランドのM&Aがこのところ花盛り!
コロワイドが傘下に収めた「珈琲館」(都内)

業界5位、大手の一角に食い込む

C‐Unitedは2021年、珈琲館とシャノアール(カフェ・ベローチェの運営会社)が経営統合して発足。2022年に「カフェ・ド・クリエ」を手がけるポッカクリエイトを買収し、業容をさらに拡大した。店舗数は全国に約560店。2026年3月期売上高見込みは358億円。

コロワイドは居酒屋「甘太郎」を祖業とし、現在、さまざまな業態で約60の外食ブランドを展開する。

積極的なM&Aで知られ、2012年に焼肉「牛角」、14年に回転すし「かっぱ寿司」、20年に定食店「大戸屋ごはん処」を傘下に収めた。

カフェ事業については「小さな森珈琲」、「蓮屋珈琲店」などがあるが、店舗数が限られ、事業の柱にはほど遠かった。

カフェ業界の勢力図はスターバックスコーヒージャパンをトップに、ドトールコーヒー(ドトール・日レスホールディングス傘下)、コメダホールディングス、タリーズコーヒージャパン(伊藤園傘下)が続き、C‐Unitedは5位につける。コロワイドは今回の買収で、カフェ大手の一角に食い込む。

すかいらーく、「うどん」の次は「定食」

すかいらーくホールディングスは、炭火焼干物定食店「しんぱち食堂」を運営するしんぱち(東京都港区)を買収する運びとなった。しんぱちは108店舗(2月末時点)を構え、直近売上高は64億5000円(2025年10月期)。

買収金額は110億円強。すかいらーくは2024年、北九州発のうどんチェーン「資(すけ)さんうどん」を約240億円で買収したが、これに次ぐ規模の大型M&Aとなる。4月末に買収完了の予定。

すかいらーくは「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などファミリーレストランを中核に、から揚げ、とんかつ、イタリアンといった業態を含めて30を超えるの外食ブランドを持つ。

とくにロードサイド(幹線道路沿線)では自社の似た店舗同士の競合を避けるため、業態転換が可能な集客力のある有力ブランドの取り込みに力を入れており、資さんうどん、しんぱち食堂もこの流れにある。

しんぱち食堂の運営会社は2017年、国内投資ファンドであるJ‐STARの傘下に入り、事業改革や出店拡大に取り組んできた。店舗数は東京都内のビジネス街を主体とする28店から今や全国で100店を超える。

急成長の「鰻の成瀬」は投資会社傘下に

一方、投資会社の傘下に入ることになったのは、うなぎ専門店「鰻の成瀬」を展開するフランチャイズビジネスインキュベーション(FBI、滋賀県高島市)だ。

2022年9月に1号店を開業し、店舗数はたちまち400店を超え、その急成長ぶりで話題を集めたが、最近は270店ほどに減り、客離れが指摘される中、3年半で事実上の“身売り”となった。

カフェ・定食・うなぎ…有力外食ブランドのM&Aがこのところ花盛り!
「鰻の成瀬」の都内店舗

買収したのはAIフュージョンキャピタルグループ。AI(人工知能)・DX(デジタルトランスフォーメーション)ノウハウを活用し、出店効率や収益性向上につなげるとしている。FBI株式の58%を創業者らから取得し、4月10日付で子会社化を完了した。

運営会社のFBIの直近業績は売上高20億8000万円、営業利益5460万円(2025年8月期)。その買収金額はわずか約5800万円だった。

FBIは「鰻をもっと身近に」をモットーに、うな重を最安1600円で提供する。低コスト(非一等地)出店、職人不要の標準化オペレーション、短期間で出店可能なフランチャイズ(FC)モデルを特徴とし、老舗がひしめく業界に新風を吹き込んできたが、今後、再成長への道筋をどう描くのか注目される。

ラーメンでも大型買収が続く

ラーメンでも大型M&Aが目立つ。松屋フーズホールディングスは1月、91億円を投じて関東を中心につけ麺「六厘舎」など全9ブランドを展開する松富士(東京都千代田区)を子会社化した。ラーメン業界に本格参入し、牛丼「松屋」、とんかつ「松のや」に続く事業の柱に育てる構えだ。

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松屋フーズホールディングスの本社(東京都武蔵野市)

同じ1月には、「京都北白川ラーメン魁力屋」を旗艦ブランドとする魁力屋がつけ麺「三田製麺所」などを運営するエムピーキッチンホールディングス(東京都渋谷区)を子会社化した。

買収金額は50億円。

魁力屋はラーメン市場について、他の外食業態と比べ寡占化が進んでおらず、シェア拡大の余地が大きいとし、M&Aにアクセルを踏み込んでいる。

文:M&A Online

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