デリケートで誰にも相談ができない「おしりニキビ」。一人で悩んでいるという方が多いようです。おしりニキビができてしまう原因はさまざま。正しい方法でお手入れをしないと、治らずに跡になってしまうこともあります。
そこで今回は、「おしりニキビ」についての基本情報をまとめました。また、以下の情報についても詳しく解説していきます。
- おしりニキビの原因
- おしりニキビの予防・対処法
- 医療機関でのおしりニキビの治療法
おしりニキビの症状に合わせて治療ができるように、正しい知識をつけていきましょう。まずは、おしりニキビができてしまう5つの原因からご紹介します。
1.おしりニキビの原因
おしりニキビができてしまう原因は、大きく5つあります。
- 暴飲暴食など食生活の乱れ
- 睡眠不足
- 肌の乾燥や刺激
- ホルモンバランスの乱れ
- シャンプーや石鹸の洗い残し
おしりニキビは、食生活の乱れや肌の不調、シャンプーや石鹸の洗い残しが原因でもできてしまいます。ひとつずつ解説していくので、自分のおしりニキビの原因を探ってみてくださいね。
1-2.暴飲暴食など食生活の乱れ
おしりニキビは、暴飲暴食など食生活の乱れが原因でできてしまいます。私たちの肌や体は、食べているものの栄養を吸収して作られています。必要な栄養が不足していると肌の機能が正しく働かずに、おしりニキビができやすくなってしまうのです。
特に、偏った食生活をしているとニキビの発生を増やしてしまいます。例えば、揚げ物やジャンクフードなどをよく食べる方は注意が必要。揚げ物やジャンクフードは油分や糖分が多いため、毛穴詰まりや皮脂の過剰分泌を引き起こす原因になります。
おしりニキビは、暴飲暴食などの食生活の乱れが原因でできてしまうのです。
1-2.睡眠不足
睡眠不足は、おしりニキビができてしまう原因となります。睡眠不足になると、寝ている間に働く肌の再生機能が滞りやすくなります。そうなると、肌に不調のサインが現れます。毛穴が詰まりやすくなったり肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れてしまったりするので、おしりニキビができやすくなります。
また、睡眠時間が少ない日々が続くと、スキンケアに時間をかける体力や気力がなくなるものです。でき始めのニキビに気がつかず、お手入れが遅れて症状を悪化させることもあります。
1-3.肌の乾燥や刺激
肌の乾燥や刺激は、おしりニキビの原因になります。
肌の乾燥が進むと、肌は皮脂を過剰に分泌して潤いを補おうとします。皮脂の過剰分泌は、毛穴詰まりを引き起こします。その詰まった毛穴で菌が繁殖すると、おしりニキビができてしまうのです。
肌への摩擦は、おしりニキビを引き起こすだけではなく、できてしまったニキビの症状を悪化させます。おしりは、常に何かに触れている部分です。下着や洋服だけではなく、椅子に座って圧がかかっていたり、動くたびに擦れていたりします。
そういった外からの刺激が続くことで、おしりニキビの症状が悪化しやすくなるのです。
1-4.ホルモンバランスの乱れ
おしりニキビの原因のひとつに、ホルモンバランスの乱れがあります。ホルモンバランスが乱れると、比例して肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」も乱れてしまうからです。そのため、肌が乾燥しやすくなったり毛穴が詰まったりします。
肌の乾燥や毛穴詰まりは、過剰な皮脂分泌を起こすきっかけになります。過剰に分泌された皮脂が詰まった毛穴内で菌が繁殖して、おしりニキビが発生してしまうのです。
シャンプーや洗顔などで1番大切なのは洗うことではなく「予洗い」や「すすぎ」です。特にすすぎに関しては、シャンプー剤や洗浄剤などを使わなくても3分以上洗い流せばほとんどの汚れが落ちるという統計も出ています。すすぎ残しがあると、元より汚い状態になってしまうこともあるため、すすぎには充分勢力を尽くしてください。
1-5.シャンプーや石鹸の洗い残し
あまり知られていませんが、シャンプーや石鹸の洗い残しはおしりニキビの原因になります。毎日清潔にしているつもりでも「おしりニキビができてしまう」という方は、シャンプーや石鹸の洗い残しが原因かもしれません。
また、洗浄力が強すぎるボディーソープを使用している場合も、おしりニキビができやすくなります。洗浄力が強すぎるボディーソープは、その分肌への刺激も強くなります。そのため、ボディソープが原因で肌の乾燥を引き起こしてしまい、おしりニキビが発生してしまうのです。
おしりニキビができてしまう5つの原因を、知ることができましたね。次は、おしりニキビの予防・対処法を詳しく解説して行きます。
2.おしりニキビの予防・対処法
おしりニキビの予防・対処法をご紹介します。おしりニキビができる原因の共通点は「毛穴の詰まりが起きて、毛穴内で菌が繁殖してしまうこと」です。そのため、おしりの毛穴を詰まらせない・菌の繁殖を防ぐ、ということがニキビケアのポイントになります。
ニキビは、できてしまうとすぐには治らないため、予防をすることが何よりも重要。ニキビができる原因を理解した上で、予防に繋がるような習慣をつけていきましょう。すぐに実践ができる「おしりニキビの予防・対処法」を解説していきくので、ぜひ試してみてください。
2-1.下着や洋服によるムレを避ける
まずは下着や洋服によるムレを避けることです。下着や洋服によるムレがあると、毛穴の中で菌が繁殖しやすくなります。通気性の良い衣類を着るようにする、厚めの素材は避けるなど、身につけるものは工夫して選ぶようにしてみましょう。
また、サイズが合っていない下着を着用するのもおすすめできません。大きすぎて隙間ができてしまう下着は、動くたびに肌に当たって擦れます。摩擦は皮膚にダメージを与えるので、結果としておしりニキビを引き起こしてしまいます。
おしりニキビを予防するために、下着や洋服によるムレを避け、自分の体にフィットする下着を使うようにしましょう。
2-2.お風呂できちんとケアする
おしりニキビの予防・対処法として、お風呂できちんとケアすることも重要です。お風呂でのケアとは、毛穴詰まりの原因になるような汚れをしっかりと洗い流すこと。1日の汚れをその日のうちに正しく落とすことで、毛穴詰まりを防げます。
また、シャワーだけで済ませてしまうのでなく「湯船に浸かるようにする」ということも、おしりニキビの予防になります。湯船に浸かると、お湯で毛穴が開き汚れが浮きやすくなります。その結果、毛穴の詰まりを防いだり、頑固な汚れを落とせたりするのです。
お風呂は蒸気によって毛穴が広がる絶好のチャンスです。ニキビの1番の原因は毛穴の詰まりです。湯船につかってしっかり芯から温まり、全身の毛穴がしっかりと広がった状態で洗浄していきましょう。
2-3.生活習慣を整える
生活習慣を整えることは、おしりニキビの予防・対処法に効果的です。ニキビができてしまう原因には、ストレスや生活習慣の乱れがあります。
規則正しい生活を送っていると、体や肌の機能も整いやすくなるため、皮膚の調子が安定します。ターンオーバーが正常に行われたり、ホルモンバランスが乱れにくくなったりするので、結果としておしりニキビの予防に効果的なのです。
夜ふかしをしないで早めに寝る、バランスよく栄養を摂るなど、生活習慣を整えてニキビ予防をするようにしましょう。
3.おしりニキビに似た症状
じつは、おしりニキビは「似ている症状」が存在します。ニキビではない症状にニキビ用の治療をしていても、患部がすぐに治りません。そうならないためにも、おしりニキビとその他の症状の違いを知っておきましょう。おしりニキビと他の症状ではどのような違いがあるか、説明していきます。
次の4つの病気は、おしりニキビと間違いやすい症状です。
- 粉瘤(ふんりゅう)
- 細菌感染症
- 化膿性汗腺炎
- 性器カンジタ症
おしりニキビに似ている4つの症状の特徴や見分け方を詳しくご紹介します。
3-1.粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、脂肪の塊が原因の肌トラブルです。良性の皮下腫瘍なので、基本的には1~5㎝程度の大きさでできることが多いです。
粉瘤は、肌の表面近くに発症しやすいため、痛みを感じる場合があります。おしり部分は目で確認しにくい場所なので、この症状をおしりニキビと間違えてしまうケースが多いのです。
一番の違いは、粉瘤は肌の内側にしこりのようにでき始めるということです。また、ニキビは毛穴の入り口にできますが、粉瘤は毛穴以外の場所にもできます。粉瘤は肌の古い角質や皮脂が溜まってできる腫瘍であるため、触ったり目視して確認してみましょう。
粉瘤は基本的に良性の腫瘍ですが、悪性のものが見つかる場合もあります。見つけたら、専門家に診てもらうようにしましょう。
3-2.細菌感染症
おしりニキビと間違えやすい症状のひとつに、細菌感染症があります。おしりは肛門の周囲にあるため、便による汚染で細菌感染が引き起こる場合があるのです。また、小さなひっかき傷や刺し傷など、皮膚にできた小さな開口部から細菌が侵入するケースもあります。
細菌に感染すると痒みが生じたり、皮膚に赤みが出たりすることもあります。ニキビとの違いは炎症の出かたです。細菌に感染すると熱をもち、膿んでいないのに痛みが出ます。細菌感染症は重症化すると発熱などの全身症状に進行することがあるので、注意が必要です。
3-3.化膿性汗腺炎
おしりニキビと似た症状には、化膿性汗腺炎という病気も存在します。化膿性汗腺炎は、おしりの皮膚にも発症することがある皮膚疾患。慢性的に細菌感染を引き起こしてしまうのが特徴です。
汗腺や毛包の機能障害が原因で毛包に炎症が起こるため、汗腺の多い場所によく見られます。見た目では、赤くてブツブツした肌トラブルが診られます。
おしりニキビとの違いは、症状の進行スピードです。ニキビの場合は、炎症が起きているときは急に赤く腫れ上がります。一方で化膿性汗腺炎は、ゆっくりと慢性的に細菌感染を繰り返します。
3-4.性器カンジタ症
おしりニキビと似た症状に、性器カンジタ症があります。カンジタは真菌の一種で、私たちの体内に存在しています。疲れていたり免疫力が落ちていたりするときに、何らかの影響によってカンジタ症が引き起こされることがあるのです。
おしりだけではなく、デリケートゾーンに痒みや痛みを感じる時は、性器カンジタ症を疑いましょう。その場合、産婦人科や泌尿器科の専門医に相談をしてみてください。
次の章では、医療機関でのおしりニキビ治療に関する情報を解説していきます。
おしりは皮膚の硬いところなので、顔にできるニキビよりも治りにくい傾向があります。皮膚を温め柔らかくした後で洗浄し、できればスクラブ洗顔のようなピーリング効果のあるものを使って角質を柔らかくすると、よりおしりニキビの悪化を抑えることができます。
4.医療機関でのおしりニキビ治療
医療機関でおしりニキビ治療を受けるメリットは、ニキビ跡が残りにくくなることです。おしりニキビは目で確認しにくいため、自己治療が難しいパーツ。医療機関で専門家のアドバイスに従っておしりニキビの治療をすることで、ニキビの進行や炎症を抑えることができるのです。
医療機関でのおしりニキビ治療には、4つの方法があります。
- 内服薬・外用薬
- イオン導入
- ピーリング
- フォトフェイシャル
内服薬や外服薬だけではなく、エステで使われるようなスキンケアや美容機器を使用してケアをする場合もあります。医療機関で行われるつ4つのおしりニキビ治療について、詳しく解説して行きます。
4-1.内服薬・外用薬
医療機関でおしりニキビの治療を受けると、内服薬・外用薬などを処方してもらえます。内服薬は、体の中から炎症を抑えることができます。また、抗菌作用のある薬を服用して治療する場合もあります。
外服薬の場合は、おしりニキビの症状に合わせて使用するものが変わります。軽い赤みや腫れには、非ステロイドの抗炎症薬。症状が悪化している場合はステロイドになります。ステロイドは、ニキビが腫れて痛む場合でも効果的です。
市販で買える薬
専門のクリニックに行かなくても、市販で買える薬もあります。おしりニキビの元になる「アクネ菌」に対する抗生物質も、市販で購入が可能です。また、おしりニキビの予防に繋がる「保湿剤」や、新陳代謝を高めて毛穴詰まりを予防できるような外用薬なども手に入ります。
4-2.イオン導入
医療機関でのおしりニキビ治療には、イオン導入が使われます。イオン導入は、効率的に有効成分を届けられるのが特徴。
イオン導入と呼ばれるエレクトロポレーションなどを他の治療と併用すると、ニキビの炎症を抑えたりニキビの根本原因にアプローチできたりします。
例えば、皮脂の過剰分泌を抑える働きがある「ビタミンC」を、イオン導入をして肌に浸透させていきます。ニキビの改善効果が期待できます。
4-3.ピーリング
医療機関でのおしりニキビ治療には、ピーリングを用いる場合があります。ピーリングは、お顔や全身のニキビ・ニキビ跡治療によく取り入れられている方法です。
ピーリングをすると、お肌の再生を促すことができるのがポイント。ニキビやニキビ跡の予防にも効果的なのです。特に、ニキビやニキビ跡には「ケミカルピーリング」が効果的。2週間に1度、ケミカルピーリングを行い、肌の再生を促していきます。
4-4.フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、おしりニキビの治療にも使われます。
フォトフェイシャルは、肌に光を当てて内側から肌トラブルの原因をケアする治療法です。痛みやダウンタイムなどがないため、気軽に治療を受けられます。
フォトフェイシャルは、赤みや色素沈着にも効果的。自然治癒が難しいと言われている、クレーター状のニキビ跡にも効果を発揮します。
おしりニキビには、炎症が強い場合には飲み薬を追加して、基本的には塗り薬で治すことが多いです。おしりのニキビは角質が厚いところにできるため、治療しにくいイメージがありますが、皮膚を柔らかくすることで、色素沈着を最大限に抑えて治療できます。そのためには普段からおしりのお手入れをして角質を柔らかくしていくことが大切です。
5.まとめ
おしりにニキビができてしまったら、症状に合わせて正しく治療をすることが大切です。身につける下着や洋服に気を遣ってみたり、お風呂でのケアを工夫したりするとニキビ予防に繋がります。
おしりのニキビはデリケートなので、医療機関でニキビ治療を受けるのもおすすめです。