ヤクルト本社は2024年12月に上海工場を閉鎖したのに続き、このほど中国で最初に設立した広東省広州市の広州第一工場を25年11月30日に閉鎖すると発表した。設備の老朽化が決め手となった。

閉鎖後は、同省内の広州第二工場と仏山工場に製造機能を集約し、生産体制の最適化と経営資源の効率的な活用を図る。

ヤクルトは中国販売の低迷を受け、事業の再編成を進めている。2025年1~6月の平均日販は447万2000本で、前年同期をわずかに上回るものの、ピーク時の760万9000本を大きく下回った。広東省と海南省では25年1~3月の平均日販が149万本と21年同期から半減した。

中国でも「ヤクルトレディ」の販売効果を発揮、現地化に注力

足元では、中国乳業大手の蒙牛乳業(Mengniu Dairy)や伊利集団(Yili Group)などがプロバイオティクス飲料の展開を加速し、ヤクルトの市場シェアをさらに圧迫している。かつて中国全土で絶大な人気を誇ったヤクルトは、ロングセラーとして生き残るための厳しい課題に直面している。

(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)

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