英科学誌ネイチャーは12月8日、科学分野で注目を集めた「今年の10人」に、中国の人工知能(AI)企業「DeepSeek(ディープシーク)」の創業者、梁文鋒氏を選んだと発表した。

梁氏を紹介する記事のタイトルは「中国金融界の奇才が生み出したAIモデル『DeepSeek』に世界が驚いた」。

2025年1月、ディープシークが低コストで開発した高性能AIモデル「R1」を発表した瞬間、多くの専門家が考えていたほど米国がAI分野で先行していないことが明らかになった。

梁氏は現在40歳の金融アナリストで、2008年にクオンツ運用を開始し、AIアルゴリズムを株式市場に応用して数百万ドル(数億円)を稼いだ。その資金をもとに23年、浙江省杭州市でディープシークを設立し、最先端AIモデルの研究開発を進めてきた。

梁氏の行動は控えめで、中国メディアのインタビューに数回応じただけで、ネイチャー誌からの取材依頼も断っている。

DeepSeekの創業者に篤志家の一面。匿名で慈善団体に29億円寄付、貧困地区の学校に寄贈も

米国の対中輸出規制により、中国企業はエヌビディアなど米半導体メーカー製の大規模言語モデル(LLM)訓練用高性能チップの調達が難しくなっている。梁氏はこうした事態を見越しており、過去10年間でエヌビディアのGPU(画像処理半導体)1万個を調達・備蓄し、今後のAIモデル開発に備えていたという。

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*1ドル=約155円で計算しています。

(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)

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