中国国家市場監督管理総局はこのほど、旅行予約サイト(OTA)最大手の携程集団(Trip.com Group)(以下、トリップドットコム)が市場での支配的地位を濫用し、独占禁止法に違反した疑いがあるとして、調査を開始したと発表した。この報道を受け、同社の香港株は一時20%超下落した。
トリップドットコム側は「関係当局の調査に積極的に協力する」としたうえで「会社の事業はすべて適正に運営されている」とのコメントを発表した。
中国の各地の規制当局はここ1年ほど、トリップドットコムによる加盟事業者の経営の自由度を制限して価格に介入するといった行為について、相次いで是正指導や処分を行ってきた。
事業者からは、トリップドットコムが50%を超える市場シェアを背景に、「二者択一」契約(他プラットフォームへの掲載制限)、高額な手数料、価格介入などの手法を用い、ホテルの利益を圧迫しているとの声が上がっている。
消費者に対しても、長年にわたり「ビッグデータによる常連客差別(アルゴリズムによる差別的な価格設定)」、抱き合わせ販売、最低価格を装った誘導表示などに関する苦情が後を絶たず、プラットフォームがアルゴリズム上の優位性を利用して利益最大化を図ろうとするコンプライアンス面でのリスクが露呈している。
同社は長年にわたり、買収や出資を通じて巨大なオンライン旅行代理店(OTA)のエコシステムを構築してきた。その収益力は同業他社を大きく上回っており、業界の市場集中度を一層高める結果ともなっている。現在、電子商取引(EC)のアリババグループや京東集団(JDドットコム)、中国版TikTokの抖音(ドウイン)といったインターネット業界の大手企業が、低手数料とトラフィックデータを武器に、ホテル・旅行分野へ加速的に参入し、従来型のビジネスモデルへの脅威となっている。
専門家は、今回の独禁当局による介入により、プラットフォーマーの「アルゴリズムおよびスケールメリットによる優位性」を弱め、中国のオンライン旅行市場を、価格志向からサービスと公正な競争が重視される方向へと転換させる可能性があると指摘している。
(36Kr Japan編集部)








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