中国が2030年までの二酸化炭素(CO2)排出量の減少転換、60年までの実質ゼロを目指す「双炭(ダブルカーボン)」戦略を推進する中、新エネルギー設備製造産業は資源開発からハイエンド製造へと躍進しつつある。新華社傘下の中国経済信息社はこのほど、2025年の中国新エネルギー設備製造産業都市競争力トップ50ランキングを発表した。

産業規模と優良企業、イノベーション能力、資金調達能力、産業収益、成長力の6方面から60以上の指標に基づき、産業チェーンの各分野を総合的に評価した結果、江蘇省蘇州市が87.71の総合スコアでトップに立ち、新エネルギー設備製造業発展の重要拠点となった。

広東省深圳市(87.63)は2位、江蘇省常州市(87.47)は3位となった。4~10位には江蘇省無錫市、上海市、福建省寧徳市、浙江省寧波市、北京市、安徽省合肥市、江蘇省南通市が入り、長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)がけん引し、複数の成長の極が協調するという産業発展の新たな様相を呈した。

地域別に見ると、華東地域が新エネルギー設備製造産業の中核的な力となり、上位50都市のうち、長江デルタ地域の都市が約半分を占めた。

蘇州が「一線都市」(北京、上海、広州、深圳の四大都市)を抜いてトップに立ったのは、産業チェーン全体に及ぶ事業展開と裾野産業の優位性が要因とみられる。

蘇州は中国新エネルギー産業の先発者であり、太陽光発電、エネルギー貯蔵・車載電池、風力発電、スマートグリッド、水素エネルギー、グリーン低炭素と新エネルギー車(NEV)を基幹産業とする「6+(プラス)1」新エネルギー産業システムを確立している。「蘇州市新エネルギー産業の質の高い発展に向けた3カ年行動計画(2024~26年)」では、26年までに同市の新エネルギー産業生産額を1兆元(約22兆円)以上に増やし、電子情報、ハイエンド設備、先進材料に続く四つ目の1兆元規模の産業クラスターを育成するという目標を打ち出した。

蘇州のほか、常州、無錫、上海、寧波、合肥、南通ら長江デルタ地域の都市も上位10位に入り、同地域は世界的な新エネルギー設備製造の重要拠点への歩みを加速しつつある。

中国経済信息社のデータによると、常州は「新エネルギーの都」と呼ばれ、車載電池生産量・販売量が全国の5分の1を占める。中創新航科技集団(CALB)や蜂巣能源科技(SVOLT)などの大手メーカーが同市で重点的に事業を展開しており、産業チェーンの完成度は全国をリードしている。

上海は科学研究の高い実力と充実した金融資本を武器に、新エネルギーハイエンド設備分野で先頭に立つ。サブ指標をみると、上海は「優良企業」と「産業収益」の2指標でともに上位3位に入り、産業チェーン統合と価値創出の能力の高さを示した。

寧波や南通などは沿海地域という地理的優位性を生かし、洋上風力発電ユニットやブレード、海底ケーブルなどの設備製造の発展に力を入れ、国の洋上風力発電戦略の重要な支点となった。

深圳は上位3都市の中で唯一、長江デルタ地域以外の都市となった。電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)傘下でデジタルエネルギーソリューションを手がける華為数字能源技術(ファーウェイデジタルパワー)、リチウムイオン電池の欣旺達電子(サンオーダ)などリーディングカンパニーを拠り所として、市場指向型で技術を推進力とする新エネルギー設備製造体系を構築し、新エネ車や新型エネルギー貯蔵などの最先端分野で飛躍的な進展を遂げた。同市の「イノベーション能力」のスコアは89.24となり、全国首位に立った。

寧徳は6位に入り、車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)の本部所在地として、県域経済を世界電池産業チェーンの最上部に組み入れることに成功した。リチウムイオン電池材料の寧波杉杉や厦門厦鎢新能源材料などの川上・川下企業を結集させ、本部と拠点が組み合わさった特色あるモデルを形成し、全国の新エネルギー設備製造分野で独自の優位性を示した。

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北京は、北部の新エネルギー設備産業の重要な拠点として8位に入った。同市の25年末時点の新エネルギー設備容量は435万キロワットに上り、発電設備容量全体の28%を占めた。「第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)」期間には中国初の市級仮想発電所(VPP)管理プラットフォームを設立し、新型エネルギー貯蔵設備容量は70万キロワットに上った。【新華社上海】

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