中国山東省青島市は高齢化の波が押し寄せる中、ヘルスケア産業の集積地「中国康湾」の建設を計画し、健康産業で得た成果を経済成長へ転換する取り組みを進めている。

市の関係部門によると、市内の60歳以上の常住人口は253万2000人と全体の24.3%を占める。

高齢化率は省内トップで、全国平均を大きく上回り、シルバー経済の発展が青島市の急務となっている。

青島市西海岸新区の瑞源中康健康産業集団は、国家級スマート介護モデル企業に指定され、全国23省47地区でヘルスケア・介護事業を展開している。西海岸新区の居住地区「名嘉匯小区」で運営するコミュニティー介護サービスステーションは、基層の行政区が契約する家庭介護用ベッドが843床、1日の利用者が平均1500人に上り、生活支援から専門医療まで対応。自社開発した都市型デジタル・スマートヘルスケア・プラットフォームを通じ、在宅で24時間いつでも受けられる医療・介護サービスを提供している。

同社はまた、大手機関と連携してスマート介護ロボットを開発し、スマート介護の実証拠点を整備。ドローンを使った離島への食品配送、施設内での無人清掃車の運用、ロボットによる見守り介護などのスマート介護モデルを実現した。こうした一連の取り組みは、青島市によるヘルスケア産業の市場化、スマート化を象徴する一例となっている。

リハビリも会話もこなす“家庭内AI” 中国の介護ロボットの新しいかたち

産業発展の課題を解消するため、同市は「養老サービスの質の高い発展3カ年行動規画(2025~2027)」を策定し、14項目の企業支援策を打ち出した。高齢者向けリフォームへの補助金制度も導入し、負担額の30%、1人当たり最大1万5000元(約33万円)を支給している。

市内には現在、介護施設が294カ所あり、介護型ベッドの割合は81.7%を占める。社区(コミュニティー)の介護サービス施設は1400カ所余りに上り、今年に入りサービスを利用した高齢者は延べ1300万人を超え、消費額は1億1300万元に達した。

青島市はテクノロジーの活用と産業の融合に重点を置く。

市民政局によると、現在はヘルスケア領域のエンボディド(Embodied=身体性を有する)人工知能(AI)ロボットとスマートリハビリ製品の訓練・検証センターを建設中で、製品が研究から実用されるまでの「ラストワンマイル」の問題の解消に取り組んでいる。

青島市が運営する成人高等教育機関の青島開放大学は、デジタル技術を活用した高齢者向け教育を行っており、テレビとパソコン、スマートフォンの「3画面一体型」学習プラットフォームを構築。4200を超える講座を150万世帯以上が受講したほか、高齢者のスマート機器活用をサポートするボランティアを521のコミュニティーに派遣し、対面・オンラインを合わせた受講者は45万人に上った。【新華社青島】

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