中国の強力なサプライチェーンを武器に世界を席巻するファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」のデータによると、2025年8月1日から26年1月31日までの期間、欧州連合(EU)での月間平均アクティブユーザー数(MAU)は約1億5600万人に達した。圧倒的なユーザー規模を誇る一方で、かつて倍増ペースで突き進んでいた成長スピードには明らかな鈍化が見られる。

国別のMAUでは、フランスが2820万人で首位、次いでスペイン(2730万人)、イタリア(2500万人)、ドイツ(2220万人)となった。しかし売上貢献度では、ドイツが長年にわたりSHEINにとって欧州最大の市場であり、同時に米国に次ぐ世界第2位の収益源となっている。

SHEIN、仏パリに初の常設店 欧州で実店舗戦略に転換

SHEINは数年にわたる急拡大を経て、欧州主要国での浸透率が既に高い水準に達している。一方、中国電子商取引(EC)大手PDDホールディングス傘下の越境ECプラットフォーム「Temu」が欧州で展開する積極的な補助金戦略がSHEINの顧客を奪っている。

また世界的なファストファッションブランド「ZARA(ザラ)」を擁するスペインのアパレル大手「INDITEX(インディテックス)」などの欧州ファストファッション大手はデジタル化を加速させ、より迅速な物流対応とサステナブル(持続可能性)の理念で環境意識の高い欧州消費者の支持を奪還しつつある。

こうした包囲網に対し、SHEINはインフラの強化で対抗する。最近、ポーランドに新たな欧州物流センターを設立。これを自社専用とせず、外部パートナーにも開放することで、物流の効率化とエコシステムの拡大を図る。単なる「安価な通販サイト」から、物流インフラを備えた「長期的なプラットフォーム」へと脱皮し、欧州市場での主導権を維持できるかが今後の焦点となる。

(36Kr Japan編集部)

編集部おすすめ