中国の生成AI企業「MiniMax(稀宇科技)」が香港市場で「暴走」とも言える快進撃を見せている。3月10日、同社の株価は取引開始直後から急騰。一時1286香港ドルまで上昇し、上場来最高値を更新した。終値は前日比22.37%高の1220香港ドル、時価総額は3800億香港ドル(約7.6兆円)を突破した。

MiniMaxは1月16日に香港証券取引所のメインボードに上場し、公開価格は165香港ドル(約3300円)だった。わずか2カ月足らずで株価は約6倍にまで膨れ上がり、2026年の香港市場で最も輝くAI銘柄として投資家の視線を独占している。

中国の生成AI「MiniMax」、上場後初の決算 売上159%増と巨額赤字の裏側

株価上昇の背景には、オープンソースのAIエージェント・プロジェクト「OpenClaw(通称「龍蝦」=ロブスター)」の急速な普及がある。OpenClawは、従来の「会話するだけ」のAIとは異なり、ユーザーの指示に基づいて、PCやスマートフォン上の複数のアプリケーションを横断して作業を自動実行できる「AIエージェント」システムだ。例えば、ブラウザを開いて情報を検索する、ファイルを整理する、メールを送信する、文章を編集する、SNSに投稿するなど一連の操作を自動で行うことができる。そのため、「PCやスマートフォンの自動運転システム」とも例えられている。

MiniMaxはOpenClawにネイティブ対応するLLM(大規模言語モデル)の主要プロバイダーであり、2月26日には同基盤を活用したクラウドAIアシスタント「MaxClaw」をいち早く公開。これが市場の期待を決定づけた。

OpenClawを中心とした「AIエージェント・エコシステム」の構築には、中国の地方政府やテック大手がかつてないスピードで動いている。たとえば、深圳市が最大200万元(約4800万円)、無錫市が最大500万元(約1億2000万円)の補助金を出すなど、産業育成に躍起だ。

また、テンセント、アリババ、バイトダンス、バイドゥ、月之暗面(Moonshot AI)、智譜(Zhipu AI)など、少なくとも十数社のテック企業がOpenClaw関連のプロダクトやソリューションを次々と発表している

*1香港ドル=20円、1元=24円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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