スシロー中国、「寄生虫の卵」騒動に続き「食後の嘔吐・下痢」の訴え相次ぐ

中国市場で急速に店舗網を拡大している回転寿司チェーン「スシロー」が、深刻な食品安全問題に直面している。SNSで拡散された「寄生虫の卵」騒動に続き、複数の利用客から食後のおう吐や下痢といった体調不良を訴える声が上がっている。

現地メディアが報道した。同社の衛生管理体制に対し、懸念が強まっている。

「寄生虫の卵」騒動と異例の賠償

事の発端は今年3月初旬、北京市門頭溝区のスシロー店舗で、マグロの身から「寄生虫の卵のような異物」が見つかったとの投稿がSNSで拡散され、大きな波紋を広げた。これを受け、当局が即座に立ち入り検査を実施し、調査を開始した。最終的に店舗側は「不快な食事体験」への補償として、医療費と飲食代の10倍にあたる計3004元(約6万6000円)を支払い、消費者と和解に至った。当局の調査結果を待たずして和解金が支払われた背景には、ブランドイメージの失墜を最小限に食い止めたい狙いがあるとみられる。

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当局が「即座に立ち入り検査」を実施したと発表

相次ぐ「下痢・嘔吐」の訴え

しかし、騒動はこれだけにとどまらない。最近の中新網の報道によると、同様の体調不良を訴える声が複数寄せられているという。

たとえば今年1月には、スシローでマグロや海老などの生ものを含む食事をした客が、当日から数日間にわたり深刻な下痢に見舞われたと訴えるケースもあった。この利用客は「普段日本料理を食べて体調を崩すことはない」と話している。

また、中国の消費者苦情プラットフォーム「黒猫投诉」でも、2026年3月中旬時点でスシローに対する苦情は40件を超えている。下痢といった健康被害だけでなく、食器への異物混入、料理への毛髪やプラスチック片の混入など、衛生管理の不備を指摘する内容が目立っている。

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「1000組待ち」の急成長が生んだ歪みか

2021年の中国進出以来、スシローは「低価格で高品質なネタが食べられる」という圧倒的なコストパフォーマンスを武器に、各地のショッピングモールで「行列の絶えない店」としての地位を確立した。人気店舗ではピーク時の待ち組数が1000組を超えることもあり、数時間待ちも珍しくない。

2025年12月時点のデータによると、スシローの全世界の店舗数は916、そのうち中華圏は171店舗まで増加し、中国本土がその約44%を占める重要拠点となっている。運営会社のFOOD&LIFE COMPANIESは、2026年9月末までに中華圏の店舗数を210~222店舗まで引き上げる強気な拡大方針を明らかにしている。

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*1元=約22円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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