パナソニック、「チェコ工場」の新棟が稼働開始 ヒートポンプ式温水給湯暖房機「A2W」の市場拡大へ
パナソニック 空質空調社傘下のパナソニックHVACチェコ(PHVACCZ)は、欧州におけるヒートポンプ式温水給湯暖房機(以下、A2W)の生産拠点であるチェコ工場に新棟を建設し、本格稼働を開始したと発表した。

パナソニック、「チェコ工場」の新棟が稼働開始 ヒートポンプ式...の画像はこちら >>
「チェコ工場」の新棟が稼働開始A2Wは、大気中の熱を利用して温水をつくり、建物に循環させて暖房する欧州で主流の空調システム。
ガスボイラーや石油ボイラーなどの化石燃料を用いた暖房機器に比べてCO2排出量を削減でき、環境への負荷が少ないことが特長。脱炭素社会の実現、環境意識の高まりに応じて、中長期での市場成長が見込まれているとのことだ。

チェコ工場は1996年、テレビの生産拠点として設立され、2018年からA2Wの生産を開始。当初は室内機のみだったが、2023年から、自然冷媒を採用した室外機も生産開始。また2024年には、R&D部門を設立するなど、開発・生産を担う主要拠点となっている。

今回、A2Wの市場拡大に応えるべく、増産体制の構築を目的に建設した新棟が竣工・本格稼働に至ったという。新棟完成により、製造ライン増設に加えて、現在80台導入しているロボットの活用などを通じた自動化で、生産能力を年間15万台から、当初計画を約20%上回る最大約70万台まで拡張可能となる。

2028年までには、部品加工工程の100%無人化、部品組付工程で現状比約2倍の自動化率の実現を目指すという。また、コスト競争力および品質管理体制の強化を目的に、室外機外装部品、空気熱交換器、銅配管、プリント基板など主要部品の内製化を進め、基幹部品の内製化率約70%を実現するとしている。

さらに2050年カーボンニュートラルの実現に向け、新棟に1MWの太陽光発電システムの設置、採光を促進する天窓を導入するなど、2025年中のCO2排出量ゼロ化を目標に取り組んでいるとのことだ。

パナソニックは今後も、環境に配慮した製品開発と事業活動を推進していくとしている。
編集部おすすめ