40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会(JCLA)は、40~64歳の男女1,000名を対象に実施した「アイフレイルと遠近両用コンタクトレンズ実態調査」の結果を発表した。

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「アイフレイルと遠近両用コンタクトレンズ実態調査」調査によると、アイフレイルの認知は29.6%にとどまり、7割(70.4%)は「言葉自体を知らない」と回答。
直近1年以内の眼科受診率は31.3%にとどまり、未矯正者では近くの見え方に「不満」が9割に上ったという。

JCLAは、人生100年時代の目の健康推進に向けて本年「アイフレイル」ワーキンググループを発足したとし、同調査はその初回として位置づけるとしている。調査はアイフレイルの認知や眼科受診、見え方の実態、遠近両用コンタクトレンズ(以下、遠近両用CL)の認知などを把握したものという。

アイフレイルとは、加齢に伴って目が衰えたうえに、さまざまな外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、またはそのリスクが高い状態を指す。代表的な症状として、「目の疲れやすさ」や「夕方になると見えにくくなる」などがあるという。

まず、アイフレイルの認知について「言葉の意味をよく知っている」は3.1%、「意味をだいたい知っている」は9.6%、「言葉のみ知っている」は16.9%で、合計29.6%にとどまった。

40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
アイフレイルの認知眼科受診歴では「半年以内」18.9%、「1年以内」12.4%で、1年以内に受診した人は計31.3%にとどまった。一方、「3年よりも前」は37.6%、「忘れた/覚えていない/受診していない」は19.3%となり、定期的な受診が浸透していない実態が示されたとしている。

40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
直近の眼科受診時期受診理由は「眼鏡・コンタクトの処方・調整」34.1%が最多で、「視力低下や見えにくさ」12.6%、「健康診断・人間ドックの検査」8.4%が続いた。予防的受診(メディアで目の健康を知り来院)は0.7%にとどまった。

40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
直近の眼科受診理由見え方の不満では、遠方は「ぼやけて見える」34.4%、「夜間・暗所で見えにくい」22.7%が多かった。近方では「小さな文字が読みにくい」51.5%が最多で、「ピントが合わせづらい」38.4%、「スマホ・PCが見づらい」26.7%が続いた。


40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
見え方の不満点特に「近くが見えにくい」と自覚しつつ視力矯正をしていない層では、「小さな文字が読みにくい」が65.7%に達し、近見の満足度は9割が「不満」と回答した。一方、遠近両用CL使用者では遠方54.5%、近方49.0%が「満足」と回答し、矯正により一定の改善が得られている傾向が示されたという。

40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
見え方の満足度遠近両用CLの認知は全体で60.4%にとどまり、約4割は未認知だったとのことだ。アイフレイルを認知する層では67.9%が遠近両用CLを「知っている」と回答し、アイフレイル認知の拡大が適切な老視矯正理解の促進につながる可能性が示唆されたとしている。

40〜64歳の7割が「アイフレイル」を知らず 眼科受診は1年以内31.3%にとどまる
遠近両用コンタクトレンズの認知専門家コメントとして、慶應義塾大学 医学部 眼科学教室教授・教室主任の根岸一乃氏は、加齢に伴う目の機能低下「アイフレイル」への早期対応の重要性を指摘し、眼鏡や遠近両用CLなど適切な矯正を生活スタイルに合わせて選択する必要があると述べた。

JCLA会長の川浦康嗣氏は、45歳以上人口が半数を超える現状を踏まえ、40代前半からの予防的受診や遠近両用CLを含む老視矯正の理解促進に取り組むとし、来年度は本格調査を実施する方針を示した。

JCLAは、9月10日の「コンタクトレンズの日」と10月10日の「目の愛護デー」に向け、プレフレイル世代への啓発を実施するという。具体的には、RIKACO氏のYouTubeチャンネル「RIKACO LIFE」で眼科専門医との対談動画を公開しており、アイフレイルの認知拡大と遠近両用CL理解、定期受診の重要性を伝えるとしている。

【調査概要】

調査名:『アイフレイルの広報活動に向けた』実態調査
調査主体:一般社団法人日本コンタクトレンズ協会
調査期間:2025年2月26日~2月28日
調査方法:インターネット調査(外部調査会社に委託)
調査対象:40歳~64歳の男女1,000名

<参考>
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会『アイフレイルと遠近両用コンタクトレンズ実態調査
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