若年層で広がる「体験消費」志向 6割が年末予算を減額、7割が旅行計画も支出は抑制傾向に
イプソスは、世界15カ国で実施している消費者調査「マーケットエッセンシャルズ」において、年末年始における消費意識と行動の変化を調査し、結果を公表した。調査では、物価上昇などによる家計負担が続く中で、特に若年層を中心に「モノより体験」を重視する消費行動が広がっている実態が明らかになった。


調査によると、15カ国の平均で60%以上の生活者が「今年の年末予算は昨年より少ない」と回答した。年末年始のギフトやお祝いに充てる予算を減らす傾向がみられ、全体的に節約志向が続いているとしている。一部の国では改善傾向がみられるものの、多くの消費者が依然として「家計の引き締め」を意識していると分析している。

年末年始の旅行については、約70%の生活者が「旅行にお金を使う予定」と回答した。一方で、その多くが「支出を減らす」または「同程度に抑える」と答えており、旅行意欲は高いものの支出の慎重さがうかがえるという。

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(上)「今年の年末ギフトやお祝いに使えるお金は昨年より少ないと思う」の同意率(下)年末年始の旅行への支出限られた予算の使い方に関する質問では、Z世代やミレニアル世代は、物質的なアイテムより没入型の体験を優先する傾向が最も高いことが分かった。特に若年層では、ギフトを選ぶ際にも「旅行」「アクティビティ」など、“思い出に残る経験”を優先する傾向がみられたという。

若年層で広がる「体験消費」志向 6割が年末予算を減額、7割が旅行計画も支出は抑制傾向に
買い物の意識 世代ごとの同意率イプソスは、こうした体験消費の広がりについて、「若年層の価値観の変化に加え、コロナ禍以降に高まった“体験の希少性”や“時間の質”への関心が影響している」と分析している。

<参考>
イプソスマーケットエッセンシャルズ『年末年始の消費に関する意識と行動の変化
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