JCBは、金融業界における競争力強化と新たな価値創出に向け、システム開発の設計から運用までの全工程でAIを活用した生産性改革に取り組んでいるという。今回の提携では、AIを「開発の共同パートナー」と位置づけ、品質、スピード、コストの観点から開発効率の向上を図る。
生成AIを活用した取り組みとして、JCBは国内外の主要業務を支える複数の基幹システムにおいて、日本IBMの生成AI技術「watsonx」を用いたIT開発を本格的に進めている。設計、開発、テストまでの全工程に生成AIを組み込み、従来の人手中心の開発手法を見直すことで、生産性向上と効率化を実現するとしている。
具体的なユースケースとしては、外部設計書を活用した高精度なプログラム設計書およびCOBOLコードの生成、基幹システムの品質要求に対応するブラックボックス観点を含めた単体テストケースの生成、500を超える提携先ごとのインターフェース仕様や業界規制に準拠したテストデータの自動生成などを挙げている。これらの取り組みにより、一部のシステムでは設計からテスト工程において約20%の開発効率化を達成したという。
今後は、生成AIを活用した開発手法を次期システム更改や他のシステム開発にも展開するとともに、自然言語による要件定義やコードレビューなど、より高度なAI活用を目指すとしている。JCBと日本IBMは、金融IT開発の高度化と次世代のIT開発モデルの確立に取り組んでいく考え。

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