TOPPAN、新潟工場でFC-BGA基板の新製造ラインを稼働へ AI・データセンター向け需要に対応
TOPPANは、新潟工場においてFC-BGA基板の新たな製造ラインを構築し、2026年1月から稼働を開始すると発表した。AIやデータセンター向け半導体の需要拡大を背景に、ハイエンド製品の生産体制を強化する狙いであるという。


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TOPPAN、新潟工場でFC-BGA基板の新製造ラインを稼働へ新製造ラインを導入する新潟工場は、高密度半導体パッケージ基板であるFC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array)の生産拠点。同工場では2014年にFC-BGA基板の量産を開始し、2022年には拡張ラインを稼働させるなど、段階的に生産能力の拡大を進めてきた。一方で、近年は基板の大型化・高多層化や技術仕様の高度化が進み、生産キャパシティの負荷が高まっていたとしている。

今回稼働を開始する新製造ラインでは、AIやデータセンター向け先端半導体に求められる高速伝送性能や、大型・高多層のFC-BGA基板への対応を強化する。新ラインの稼働により、新潟工場におけるFC-BGA基板の生産能力は、2022年度前半期比で約2倍となる見込みとのことだ。

新製造ラインでは、低誘電率・低誘電正接材料に対応したプロセスを構築し、高速信号伝送時の表皮効果に配慮した銅配線表面処理を採用する。また、従来よりも厚みのある基板や、JEDEC規格対応トレイに収容できない大型サイズの基板生産が可能な設計としている。加えて、良品率向上を目的とした異物対策や検査工程の拡充を図るほか、一部工程間に自律走行搬送ロボットを導入し、スマートファクトリー化も進めるという。

TOPPANは、今回の新製造ラインについて2025年度中の量産移行を目指す。さらに、2026年末の稼働を予定するシンガポール工場と合わせた2拠点体制を構築することで、FC-BGA基板の安定供給と事業継続性の向上を図るとのことだ。
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