2026年の恵方巻、平均価格は2年連続「10%超」の値上げ  一方、海鮮系は値上げ幅抑制で「お買い得感」高まる
帝国データバンクは、2026年節分シーズンに発売される「恵方巻」価格の動向について調査・分析を実施し、その結果を公表した。

■今年の恵方巻、平均価格は2年連続「10%超」の値上げ

全国の大手コンビニエンスストア、外食チェーン、スーパー、著名な日本料理店など計104社を対象に、「2026年節分シーズン」の恵方巻価格を調査した。その結果、一般的な五目・七目の恵方巻(田舎巻・太巻、1本あたり)の平均価格は1,173円(税込、1月15日判明時点)となった。


これは、1年前(2025年節分シーズン)の1,050円から123円、率にして11.7%の大幅な値上げである。前年比10%超の値上げは2年連続となり、金額ベースでも比較可能な2023年以降の4シーズンで最も大きな引き上げ幅となった。

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「恵方巻」平均価格推移一方、豪華で高級志向の商品が多い海鮮恵方巻の平均価格は1,875円となり、前年(1,870円)から5円、0.3%の上昇にとどまり、ほぼ横ばいで推移。一般の恵方巻と比べて価格改定が大幅に抑制され、値上げ幅は過去4シーズンで最少だった。

この結果、恵方巻と海鮮恵方巻の平均価格差は1本あたり702円となった。引き続き海鮮恵方巻の価格が大きく上回っているものの、2025年と比べると価格差は118円縮小し、2年ぶりに700円台に。

総じて、恵方巻の値上げが顕著となる一方、相対的に海鮮恵方巻の「お買い得感」が高まるシーズンとなった。

2026年に恵方巻を販売する59社について値上げ幅をみると、最も多かったのは「100円未満」の値上げで、全体の約3割を占めた。また、150円以上値上げした商品の割合は、2022年以降で初めて2割を超えた。

一方で、「据え置き(値下げ)」も32.2%と約3分の1を占め、価格を引き上げる企業と維持する企業で判断が分かれた。回転すしチェーンや食品スーパーなど量販店を中心に、前年の単価が400~700円台だった恵方巻での大幅な値上げが、全体の平均価格を押し上げた。

他方、海鮮恵方巻を販売する80社の値上げ幅では、「据え置き(値下げ)」の割合が27.8%となり、前年(25.6%)を2年ぶりに上回った。
値上げ幅では「100円未満」が30.4%と最も多く、前年に目立った大幅な価格引き上げに比べ、今シーズンの値上げは小幅にとどまった。

2026年の恵方巻、平均価格は2年連続「10%超」の値上げ  一方、海鮮系は値上げ幅抑制で「お買い得感」高まる
恵方巻、海鮮恵方巻の値上げ幅今シーズンは、恵方巻を構成する主要原材料である「コメ」「海苔」を中心に価格高騰が続いているほか、使用頻度の高い国産・輸入かんぴょうや鶏卵などでも値上がりが続いた。

また、海鮮恵方巻で使用される水産品でも、さけの不漁によるいくらの価格高騰が顕著なほか、えび類やまぐろ類も上昇傾向となるなど、前年に比べ価格上昇した原材料が目立った。

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恵方巻の原材料価格動向

■節約志向で「値上げ抑制」鮮明 海鮮系は「お買い得」に

恵方巻の平均価格は1本あたりで前年から100円以上上昇し、前年に続き大幅な値上がり基調が続いた。一方、原材料の品質が重視され、価格帯も高い海鮮系の恵方巻では値上げ幅が抑制され、両者の価格トレンドは対照的な結果に。

2025年節分シーズンは、原材料価格の高騰を背景に、田舎巻・海鮮恵方巻ともに10%を超える大幅な値上げとなった。ただし、節約志向の高まりに加え、2月2日という慣れない節分日程の影響もあり、「日曜日にもかかわらず売れ行きが鈍かった」とするケースも少なくなかったという。

こうしたなか、2026年節分では、もともとの価格設定が安価な五目・七目の恵方巻を中心に、原材料の価格高騰を吸収しきれず、価格転嫁を余儀なくされる動きがみられた。
一方、単価の高い海鮮恵方巻では数量確保を優先し、原材料の見直しによる価格据え置きや、実質的な価格引き下げを行う動きもみられた。

また、恵方巻のラインアップ縮小や整理、1本サイズからハーフサイズへの変更などの工夫が進んだ。さらに、米国産カルローズ米の使用といった原材料の見直しや複数種類を組み合わせたアソート・セット商品の強化により、1本あたりの単価を抑える動きもみられた。その結果、例年以上に節約志向を意識した商品構成や価格設定が目立った。


そのため、2026年の恵方巻商戦では、正月の「おせち商戦」に続き、「高価格帯」と「低価格帯」の二極化が一段と進む見通しである。一方で、高価格帯商品を中心とした大幅な値上げにはブレーキがかかり、上質な恵方巻を楽しみたい消費者にとっては「お買い得」なシーズンになるとみられる。

また、今シーズンも前年に引き続き、ほぼすべての企業で予約制が導入された。原材料価格の高騰が続くなか、食材廃棄コストの抑制を目的として、生産本数やメニュー数の絞り込み、完全予約制を導入する動きも広がっている。

近年は、原材料高を背景に、食品ロス削減を目的として、1本1,000円以下の価格帯を扱う量販店でも事前予約を推奨する動きが目立つ。「フードロス削減」という社会的要請への対応と、長期化するコスト高を背景にした売れ残りリスク回避による収益効率化の観点から、今後も恵方巻の予約比率はさらに高まるとみられる。

(※)全国の大手コンビニエンスストア・外食チェーン・スーパー・日本料理店などのうち、前年の価格と比較可能な「恵方巻(五目・七目)・海鮮恵方巻」を対象とした。比較対象は合計104社。一般的な1本・18cm前後(ハーフを除く)の商品が対象(2026年時点で前年から「ハーフサイズ」のみの取り扱いとなる場合、セット商品のみの場合はそれぞれ1本あたりの金額に換算した)また、前年と比較できない恵方巻があるため、一部前年調査から対象が変更となっている。なお、入れ替え対象の恵方巻については2022年まで遡って価格データを再集計した(調査期間内[2022-26年]に販売等が終了したケースを除く)

<参考>帝国データバンク『2026年節分シーズン「恵方巻」価格調査

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