森林で活躍する木の専門家「アーボリストⓇ」の松岡秀治さんが、10月3日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演した。
アーボリストとは、樹木と人がどうやって共存できるかを考え、木を守り生かす、木の専門家。
アーボリストの日本大会では3度も優勝、世界大会でも入賞し、第一人者である松岡さん。時には40メートル、50メートルといった巨木に登って調査し、手入れするというその仕事内容を聞いた。
戸田:松岡さんは依頼された樹木の管理をされているそうですが、どういった依頼が多いですか?
松岡:依頼される木は、やはり比較的大きな木が多いです。大きな木や、危険な場所に生えている木、どうしてもロープを使わないとアクセスできないような木の管理、剪定、伐採という依頼が多いです。
戸田:木が病気になっているかは、見たら分かるものなんですか?
松岡:木は私たち人間に、いろんなところでメッセージを発信してくれているので、そのメッセージをどうくみ取るか、気が付けるかがポイントになってきます。
戸田:単純に、切り倒せばいいという問題ではないんですよね?
松岡:切ってしまうのはやっぱり簡単ですよね。
戸田:切ってしまう木というのは、どういう場合ですか?
松岡:本当に元気がなくて、生きているんだけど倒れそうな木とか、虫が入って内部が腐朽しているとか、明らかに倒れそうで早急な対策が必要だとか、取り除く判断をするのですが、それは(木を切り倒すことは)最後にとっておきます。木には必ず誰か所有者、オーナーさんがいるので、なるべくその方の考え方や周囲の歴史的価値、長年一緒に育ってきたその地域の文化とか景観も考えながら、提案するように心掛けています。
戸田:お寺とか美術庭園にあるような古い木も再生されたりするんでしょうか?
松岡:そういう歴史的価値のある、古い場所にあるような古木や大きな木は、僕達の知らない時代を、ずっと、ものも言わずに見ているわけですから……。
戸田:そうですよね。
松岡:そういう木はなるべく残しながら、次世代に繋げていきたいなと思っています。
邪魔になった木は切ってしまおうという考えではなく、樹木と人の声を聞いて適切なケアをしていると語った松岡さん。日本は国土の67%、国土の2/3が森林で世界有数の森林国だが、林業は衰退の一途を辿っている。その中で、「かっこいい林業」「憧れる林業」を目指し、業界も盛り上げて元気にしたいと、思いも語った。
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