ショウアップナイター エピソード55
<エピソード37~負けられない気持ちが生んだサヨナラホームラン~>
~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~
ショウアップナイター解説者の田尾安志が、自身が阪神時代に巨人戦で放った逆転サヨナラホームランの裏側を語った。
プロ野球、阪神タイガース・田尾安志 撮影日:1988年09月 写真提供:産経新聞社
今年2021年に55周年を迎えるニッポン放送ショウアップナイター。その解説者である田尾安志が、阪神移籍2年目の自身の活躍を振り返った。
「9月4日、阪神・大山悠輔選手が巨人戦で逆転サヨナラホームランを打ちましたよね。次の日、スポーツ紙を読んでいると『巨人戦で逆転サヨナラ本塁打は田尾安志以来33年ぶり4人目』という見出しが躍っていましたが、巨人戦の逆転サヨナラホームランというのは僕が打ってから33年間打ってなかったんですね。僕がその事を知らなかったので新聞を見た時はビックリしました。でも、その記事によって、当時の記憶が甦りました。『あの時こうだったな~』とかね」
ニッポン放送ショウアップナイター解説者 田尾安志氏
この1988年は、田尾さんにとってはどういう年でしたか?
「オープン戦の時、村山実監督に『活躍をしてほしい』と言われていましたが、その後2軍に落とされ『このままユニホームを脱がすつもりでいるな』、そういうのを感じました。それで、ここで負けたらいけないと思って、とにかくファームでいい結果を残してもう1回1軍に呼んでもらえるように頑張りましたね。
そして迎えた1988年6月28日、甲子園球場での巨人戦、延長10回にサヨナラホームランを打ったんですよ。その時は心の底から『よっしゃー!』と思いましたね。その一本で今までのモヤモヤしたのが全部吹っ飛びましたね。結局その年はそれから物凄く気持ちよく野球がやれて、9月11日の巨人戦でも逆転サヨナラホームランを打てました。
2軍に行ったのは中日時代以来、2度目でしたが
「1年目、僕は学生の時ピッチャーだったので、守備走塁を勉強したいということで、2軍に落としてもらったんですけど、それ以来落ちたことがなかったんですよ。だから、『どうやって目立ってやろうかな』と、そういうものがエネルギーになりましたね。通算149本塁打のうちサヨナラホームランは4本。そのうちの3本が88年。次の年にも1本打っているので、村山監督の時にしか打っていませんね(笑)」
ショウアップナイター エピソード55

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