キャスターの辛坊治郎が6月1日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。商品価格の相次ぐ値上げについて持論を展開した。
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帝国データバンクがまとめた食品主要105社を対象にした調査によると、今年の値上げ品目は予定を含めて5月19日時点で8385品目。また、6~7月の値上げ予定は3104品目となっている。
辛坊)値上げはやむを得ないと思うところもあるんですよ。商品価格はずっと上がっていませんでしたからね。デフレスパイラルという言葉は2000年代初頭くらいから日本でもだいぶ認知されてきました。日本人はそれまでインフレという言葉は知っていたし、スタグフレーションという言葉も知っていたんですが、デフレなんて言葉はほとんどの日本人は知らなかったんです。
でも、物価は上がらない、企業は儲からない、賃金は上がらない、購買力がない、購買力がないと高い物は売れない、安い物では物価を上げられないという負のサイクルに入ってるんじゃないのかと感じ、これはまずいんじゃないかと思い始めたわけです。いわゆるデフレスパイラルです。企業側も正直なところ、原料価格が上がっているので物価を上げたいと思っていても、うちだけ商品価格を上げると売れなくなってしまうし、売れなくなるのがうちだけだと潰れてしまうというジレンマに陥ってしまったわけです。
そして今、何が起きているかというと、漫才師、ビートたけしさんの昔のギャグにあった「赤信号、みんなで渡れば怖くない」状態なんです。この20年くらい商品価格を上げたいと思っていながら我慢していた企業が、堰を切ったように上げ始めているんです。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と一緒で、「商品価格、みんなで上げれば怖くない」。
便乗値上げに関しては、政府が厳しくチェックすべきなんだけれども、なかなかそれができないんですね。なぜなら、日本銀行は「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めているからなんです。総務省が5月20日に発表した4月の全国消費者物価指数は前年同月比2.1%上昇。日銀の目標通りなんですよ。
普通に生活している人間からすれば、物価が上がってたまったもんじゃないんだけれども、過去の政策的なスローガンからすると、「このぐらい上がったほうがデフレスパイラルから日本が脱却できていいんだ」って話になっちゃうわけです。私みたいに「物価上昇は悪」という認識を持ってる人からすると、最近の物価の状況にはもう少し危機感を持たないといけないんじゃないのか、という気がするんですけど、そういう危機感が政治にはないです。だから、物価はどんどん上がりますね。
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