中国問題グローバル研究所所長で筑波大学名誉教授の遠藤誉氏が7月4日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。辛坊が遠藤氏と、ロシアのウクライナ侵攻によって勢いを増す中国の現状について語り合った。
香港で演説を終えた中国の習近平国家主席 on July 1, 2022, on the 25th anniversary of the citys handover from Britain to China. (Photo by Selim CHTAYTI / POOL / AFP) 写真提供:共同通信社
辛坊)「権威主義国」という言い方が最近ありますが、私は「全体主義国」と言うべきだと思っています。その全体主義国の間では、中国の通貨、人民元が国際通貨になりつつあるという感じなのでしょうか。
遠藤)その通りです。しかも、「全体主義国の間で」というと必ずしもそうではありません。ウクライナに侵攻したロシアに対して制裁を行っていない発展途上国や新興国も含まれます。対ロシア制裁をしているのは四十数か国に過ぎません。残る国は対ロシア制裁をしていないんですよ。こうした国々を「非西側諸国」としてひとくくりにすると、その国々では人民元を使う傾向にどんどんなっています。ウクライナ侵攻によって、その傾向が加速しているといえます。これは非常に怖いことです。
辛坊)遠藤さんの話を聞くと、世界はどんどん具合の悪い方向に向かっているという実感があります。
遠藤)そうです。
辛坊)すごい額ですね。
遠藤)本来だったら、コロナでさまざまな制約があるうえに、ロシアと仲の良い中国には制裁を加えようというムードもあるはずなのに、です。例えば、「反中」の姿勢を打ち出している韓国から中国への投資は昨年より52.8パーセントも増えています。アメリカから中国への投資も昨年より27.1パーセント増えています。
辛坊)えっ? そんなに増えているんですか。
遠藤)そうなんです。「アメリカは何をやってるの!」と言いたいですね。NATO(北大西洋条約機構)をあれだけ一生懸命に束ねて、対中包囲網もつくろうとしているにもかかわらず、中国への投資を増やしているんです。ヨーロッパのドイツからの投資も21.4パーセント増えています。それから、フランスの航空機メーカー、エアバスは中国国有の航空大手3社から約300機を受注しました。
こうしたことから、中国が衰える様子は少しも見られません。したがって、ウクライナ侵攻で最後に笑うのは習国家主席かもしれないという、とても不愉快な現実を私たちは直視しなければならないのです。
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