キャスターの辛坊治郎が11月10日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。葉梨康弘法相が「死刑のはんこを押す地味な役職」などと発言したことが問題視されていることについて、「歴代法相には失言者が多い。
参院法務委の冒頭、死刑巡る発言などで陳謝する葉梨康弘法務相=2022年11月10日午前、国会内 写真提供:産経新聞社
9日の自民党議員のパーティーで「法務大臣は死刑のはんこを押す地味な役職」などと発言した葉梨康弘法相は国会の場で、「職務を軽んじているような印象を与える発言については撤回をさせていただく」と述べ陳謝した。経緯の報告を受けた岸田文雄首相は「職責の重さを自覚して職務にあたっていただきたい」と述べ、続投させる意向を示した。
辛坊)問題の本質は、時の政権が大臣という仕事を馬鹿にし過ぎているのではないかということです。法相というポストが歴代、どのように扱われているかについて、お話しします。自民党では参院議員を2期12年務めると、大臣職に就けてやろうという話になるんですね。だからといって、能力のない人間に重要な大臣を任せると支障が出るので、誰にも務まるポジションに充てるわけです。そこで最も使われがちなのが、この法相というポジションなんです。歴代法相の顔ぶれを見ると、似たような人がたくさんいます。
また、歴代の法相には失言の人も多いですね。ある法相は現職時代に、「法相は2つだけ覚えておけばいいんです。1つは『個別事案についてはお答えを差し控えます』。
葉梨法相の発言内容は、おっしゃる通りです。でも、本当のことでも、それを言ったらおしまいという典型的なケースですね。というか、こういうことを言ってしまう人を大臣に就けてしまう体質のほうが、はるかに問題です。こんな大臣だと、その下に仕える役人たちも「どうせ肩書きだけの大臣だから、お茶を出して機嫌をとっておけばいい」といったことが、まかり通っているのだと思いますよ。そんな大臣なら、いらないです。
葉梨法相の発言は自民党議員の会合で行ったようですが、別にウケなくてもいいのに、リップサービスで盛り上げようとしたのでしょうね。こうしたリップサービスでつまずく人は、いい人に多いんですよ。腹黒くて本質的に悪い人は「面白いことを言ってウケるよりも、失言になるリスクを考えて軽はずみなことを言うのはやめておこう」と考えるんです。それが通常の思考回路なんですが、そういう思考をできない人が大臣になっているということです。
ところで、死刑をめぐる法相の職責ですが、刑事訴訟法では死刑判決から半年以内に刑の執行を命令しなければなりません。
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