Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1257回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、6月27日から公開された映画『F1/エフワン』と『でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男』 をご紹介します。

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(C)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『F1/エフワン』カーレースの世界をリアルに再現!

今、世界中で人気急上昇中のモータースポーツ。その中でも四輪のロードレースでは世界最高峰に位置するフォーミュラワン選手権、通称F1をテーマにした作品が日本にやって来ました。

映画『F1/エフワン』は、かつての伝説的カリスマレーサーが弱小チームを率いて、“スピードの頂点”に挑む物語。命懸けで夢を追いかける男たちのドラマに胸が熱くなるエンターテイメント超大作です。

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
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映画『F1/エフワン』のあらすじ

かつてのチームメイトに誘われて現役復帰を果たした元F1レーサー、ソニー・ヘイズ。レースの過酷さを誰よりも知っている彼が籍を置くことになったのは、F1界で最弱のチームだった。

チームに加入するやいなや、次から次へと常識破りな振る舞いをみせるソニー。そんな彼に、ジョシュアをはじめとするチームメンバーは困惑するばかり。その度に衝突を繰り返し、チームはバラバラになっていく。

果たして彼らは、最強のライバルたちに打ち勝つことが出来るのか。

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
(C)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

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映画『F1/エフワン』のみどころ

主人公のソニー・ヘイズを演じたのは、ハリウッドを代表するトップスター、ブラッド・ピット。ボディラインにフィットしたレーシングスーツをスタイリッシュに着こなす姿は、眼福の極みです。

チームを上位に引き上げるために、時には反則スレスレな手法を用いながらも、若いメンバーを引っ張っていく。リーダーシップと茶目っ気を兼ね備えた破天荒なレジェンド・レーサーぶりに、この映画をご覧になった人は誰もが思うでしょう。

「やっぱりブラピ、カッコ良すぎるっ!!」

ブラッド・ピットの魅力を再認識できる一作となっています。

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
(C)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

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いちばんの見どころは、もちろんカーアクション。本作にプロデューサーとして参加しているF1界の王者ルイス・ハミルトンの発案により、なんと、レースシーンではCGやVFXは使用せず。F1の全面バックアップのもと、世界各国のサーキットで、本物のF1グランプリ開催中に撮影を敢行しました。現役レーサーたちが疾走する様子はもちろんのこと、会場の熱気、歓声、エンジン音。目にするもの耳にするもの、すべてがリアル。究極の没入感を味わうことが出来ます。

これほどまでの“ホンモノ”への探究心。あれ、どこかで既視感があるなぁと思ったならば、あなたは鋭い! そう、本作を製作したのは『トップガン:マーヴェリック』を手がけたチーム。『トップガン:マーヴェリック』で極限までリアルを追求した飛行シーンを実現したなら、映画『F1/エフワン』では、重力さえも追いつかない時速300km超えの走行シーンを具現化する!

その気迫が映像から伝わってきて、興奮を覚えること間違いなしですよ。超高速な映画体験を是非、大きなスクリーンで味わって。

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会

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『でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男』この怒り、抑えきれない

本作の題材となったのは、実在の体罰事件。ジャーナリスト福田ますみのルポルタージュを実写映画化した『でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男』。

児童への体罰を保護者から告発された小学校教諭、薮下誠一。

しかもその内容は、教師によるいじめとも言えるほど、聞くに堪えない内容だった。週刊誌記者が実名報道に踏み切ったことからマスコミの標的となった薮下は、誹謗中傷や裏切り、さらには停職へと、絶望の淵に落とされていく。事態は民事訴訟にまで発展し、誰もが保護者側の勝利を確信するなか、法廷に立った薮下は「すべて事実無根のでっちあげ」だと完全否認するが……。

小学校教諭役の綾野剛、彼を告訴する被害児童の母親を演じた柴咲コウ、そして週刊誌記者役の亀梨和也。生々しい感情をぶつけ合う俳優陣たちの熱量の高い演技合戦に、ぐいぐいと引き込まれていく本作。

何が真実? 何を信じればいい? 登場人物それぞれが掲げる“正義”が、観る者の心を惑わせる。人間の心の闇を抉り出す、社会派ドラマの秀作です。

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
(C)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

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<作品情報>
映画『F1/エフワン』
2025年6月27日(金)から全国ロードショー

出演:ブラッド・ピット / ダムソン・イドリス ケリー・コンドン / ハビエル・バルデム
日本語吹替版:堀内賢雄 森本慎太郎(SixTONES) 大塚明夫 佐古真弓 本田貴子 江原正士 三宅健太 内田雄馬 森川智之 木村昴 杉村憲司 内田真礼 加瀬康之

監督:ジョセフ・コシンスキー
プロデューサー:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:アーレン・クルーガー
原題:F1 : The Movie
配給:ワーナー・ブラザース映画
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(映画『F1/エフワン』の正しい表記は、映画『F1 (R)/エフワン』となります)

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会

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<作品情報>
でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
2025年6月27日(金)から全国東映系にてロードショー

出演:
綾野剛 柴咲コウ
亀梨和也 / 大倉孝二 小澤征悦 髙嶋政宏 迫田孝也
安藤玉恵 美村里江 峯村リエ 東野絢香 飯田基祐 三浦綺羅
木村文乃 光石研 北村一輝 / 小林薫

監督:三池崇史
原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
脚本:森ハヤシ
音楽:遠藤浩二
主題歌:キタニタツヤ「なくしもの」(Sony Music Labels Inc.)
企画協力:新潮社
制作プロダクション:東映東京撮影所 OLM
制作協力:楽映舎
製作幹事・配給:東映
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会

連載情報

映画『F1/エフワン』ブラッド・ピット主演、かつてない映画体験に心躍る!

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。


八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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