ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第456回)

■比例票からみてもわかる中道の厳しさ

衆議院選挙が終わりました。結果はご存知の通り、自民党圧勝。

対する野党第一党の中道改革連合が惨敗。18日には特別国会が召集されます。国会の景色は一変しそうです。

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衆院選後、国会の景色は再び変わる

改めて小選挙区では以下のような結果になりました(カッコ内は内訳と公示前からの比較 △は増加▼は減)。

自民  316議席(小選挙区249 比例67 △118)
中道  49議席(小選挙区7  比例42 ▼118)
維新  36議席(小選挙区20  比例16  △2)
国民  28議席(小選挙区8  比例20 △1)
参政  15議席(小選挙区0  比例15 △13)
みらい 11議席(小選挙区0  比例11 △11)
共産   4議席(小選挙区0  比例4  ▼4)
れいわ  1議席(小選挙区0  比例1  ▼7)
減ゆ連  1議席(小選挙区1  比例0  ▼4)
保守   0議席(▼1)
社民   0議席
諸派   0議席
無所属  4議席(小選挙区4 ▼6)

自民党圧勝、中道改革連合惨敗、日本維新の会・国民民主党が微増、参政党・チームみらいが躍進、共産党半減、れいわ新選組大幅減……、といった構図ですが、中でも特徴的なのは、自民が増やした議席と中道が減らした議席が同数だということです。もちろん票の流れはもっと複雑ですが、自民党が野党第一党から議席を「取り返した」形になりました。

次に比例票を見てみます。(カッコ内は得票率と前回選挙との比較 ポイント数で△は増▼は減)

自民 2102万6139票(36.72% △9.99)
中道 1043万8801票(18.23%)
維新  493万3330票(8.63% ▼0.73)
国民  557万2951票(9.73% ▼1.58)
参政  426万 620票(7.44%  △4.01)
みらい 381万3749票(6.66%)
共産  251万9807票(4.40% ▼1.76)
れいわ 167万2499票(2.92% ▼3.06)
減ゆ連  81万4874票(1.42%)
保守  145万5563票(2.54% △0.44)
社民   72万8602票(1.27% ▼0.44)
安楽会   1万3014票(0.02% ▼0.01)

れいわが半減、参政が倍増、中道を除く既成政党は微減、みらいが躍進し、共産、れいわを抜いて5位の位置にいることが特徴的です。

衆院選終わる【1】比例票から見えてくるもの

演説会場を後にする高市首相(川崎市内)

さて、中道改革連合です。前回選挙の3分の1以下、自民党の6分の1以下と惨敗したとはいえ野党第一党の座は確保、自民党の半分の票を得ていることを評価する声もありますが、一方でこんな見方もできます。

前回2024年の衆議院選挙では立憲民主党は1156万5122票(21.2%)、公明党は596万4415票(10.9%)を得ていました。これを足し合わせると1752万9537票となります。

中道は少なくともこれぐらいの票を目論んでいたとみられますが、実際は1+1=2ではなく、1+1≒0.6という結果になりました。公明党は得票数で近年、退潮傾向にあるとはいえ、(昨年の参議院選挙では約521万票)その結束力から支持票が仮に500万とした場合、純粋な旧立憲支持の票は500数十万票にとどまる推計になります。これは国民民主党とほぼ同じ得票です。

また、小選挙区では公明出身が28人、立憲出身は21人。立憲に限れば小選挙区では7人、比例では14人で、これは国民民主党の小選挙区8人、比例20人より劣ります。また、参議院に残る立憲民主党と公明党は当面別の会派で活動することになったため、中道がはたして野党第一党なのかという議論も出てきそうです。奇しくも国民民主党の玉木雄一郎代表は選挙後の2月10日の記者会見で「衆参の議席数を合わせると、うちが野党第一党だ」と述べています(国民民主党は衆参両院で計53議席、中道改革連合の49議席を上回る)。

仏教用語で「業(ごう)」という言葉があります。人の行為やそれに伴う結果を意味しますが、その意味について、公明党出身者は理解しているでしょう。今回の投票先をこれまでの「業」から判断した有権者は少なくないと思います。

立憲民主党出身の小川淳也氏が新代表となりましたが、党を立て直すには、なぜこのような結果になったのか、分析・総括することが求められます。立憲出身者の中には敗北後「敗因は高市旋風とネット、SNS」「政策を浸透させる時間がなかった」などという“他責”のコメントが目立ちます。

また、公明出身者が比例名簿の上位に記載されたことで、立憲出身候補の比例復活の機会が減り、立憲側から不満も出ているとも伝わってきます。こうした声が漏れてくる限り、有権者はますます中道にそっぽを向いてしまうでしょう。

なお、国会は政党では会派として活動します。新たな衆議院の新勢力分野です。

自民党・無所属の会317   中道改革連合・無所属49
日本維新の会36      国民民主党・無所属クラブ28
参政党15         チームみらい11
共産党4 無所属5

(【2】に続く)

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