浄土真宗東本願寺派湯島山緑泉寺住職の青江覚峰(あおえ かくほう)さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。料理僧として料理や食育に取り組む青江さんに、精進料理の定義、世界的にも精進料理が注目されている理由を語った。
精進料理とは
上柳:精進料理というと、肉・魚・卵などの動物性食品を使わないというイメージですが、正確にはどのような定義なのでしょうか。
青江さん:そのイメージで概ね合っています。ただ、地域や時代、お寺によっても異なりますが、動物性食品以外に「五葷(ごくん)」を避けるという特徴もあります。五葷とは、玉ねぎ、長ねぎ、ニラ、にんにく、らっきょうといった、香りの強い野菜のことです。
上柳:それらを避けるのは、煩悩を刺激しないためといった理由でしょうか。
青江さん:そうですね。あとは香りが強いため、お寺で共同生活を送る際に周囲への配慮として避けるという側面もあります。精進料理とは、そういうさまざまな制約がある中で、知恵を絞って作ります。
上柳:青江さんは、毎日3食すべて精進料理なのですか?
青江さん:自分で作って食べる分には精進料理です。かつて100%厳格に精進料理だけで暮らそうとしたことがあったのですが、1年で友達がいなくなってしまいまして(笑)。
上柳:えっ?
青江さん:友人に「青江さんを誘っても食べるものがないから嫌だ」と言われてしまったんです。人付き合いも難しくなってしまうし、外食先で細かく確認しすぎるとお店にも失礼になります。そのため、現在は外食の際は柔軟に対応しています。
今どきの精進料理とは
上柳:青江さんの著書『毎日食べたい いまどき精進ごはん』(オレンジページ)を拝見しました。メニューに「ハンバーグ」が出てきたのには驚きました。
青江さん:お肉の代わりに大豆ミートやレンコンを使っています。ハンバーグを形作る「つなぎ」の役割を、野菜などの食材でどう再現するかを考えるのが面白いところです。
上柳:材料にカシューナッツやアーモンドも入っていて、とてもおいしそうですね。
青江さん:ナッツ類を入れることでコクが出るんです。
上柳:精進料理というと「質素なもの」と思いがちですが、工夫次第でこんなに豊かなものになるんですね。
万博でも披露。世界が注目し始めた「精進料理」の可能性
上柳:海外の人にとって、日本の食文化への関心は非常に高いですよね。和食人気も相まって、最近では精進料理が「食のユニバーサルデザイン」として注目されているそうですね。
青江さん:いろんなところで料理や、お話をさせていただく機会が多いのですが、海外の方が精進料理に抱く印象には、興味深い特徴が3つあります。
1つ目は「健康志向」です。日本食、特に野菜中心の精進料理は体に良いというイメージが定着しています。
2つ目は「無駄を出さない」という点です。精進料理では、すべての食材を「命」として捉えます。
上柳:野菜の茎なども、細かく刻んで使い切っていらっしゃいますよね。
青江さん:普段なら捨ててしまうような大根の葉や茎、にんじんの皮、カボチャの種や綿、ナスのヘタまで、すべて命として向き合い、調理します。これは現代の言葉で言えば「フードロスの削減」であり、SDGsの考え方そのものです。
そして3つ目が、「食のバリアフリー」です。
上柳:宗教や習慣に関わらず、みんなが同じものを食べられるということですね。
青江さん:現在、日本には世界中から観光客が来られますが、宗教や習慣によって「豚肉が食べられない」「牛肉がダメ」「合挽き肉もNG」といった制約を持つ方が多くいらっしゃいます。
上柳:イスラム教やヒンドゥー教など、背景はさまざまですよね。
青江さん:そうした中で、肉や魚を使わず、さらに特定の刺激の強い野菜(五葷)も避けて調理する精進料理は、ほとんどの宗教的・慣習的な制限をクリアできます。つまり、ほぼすべての方に安心して召し上がっていただけるのです。
上柳:同じ食卓を囲んで、みんなで同じものを食べながら語り合えるのは素晴らしいことですね。
青江さん:まさに「同じ釜の飯を食う」という言葉の通りです。国境や文化の垣根を越えて、世界中の人と食を共にできる。そのツールとして、今、精進料理が改めて注目を浴びているのだと感じています。
世界の方々が精進料理に個人的な興味を持ってくださるのと同時に、最近では「国際会議」という公的な場でも非常に重宝されるようになっています。
上柳:昨年は大阪万博でもお料理を提供されたとか。
青江さん:1日だけですが、「未来の精進料理」として大阪の食品メーカーさんと一緒にお料理を作りました。メーカーさんが開発した「鰹節を使っていないのに鰹の風味がする出汁」や、肉を使っていない「ビーフコンソメ」「チキンブロス」などを使いました。
一番面白かったのは「未来のキャビア」です。植物性で味と香りを再現し、「とんぶり」というプチプチした食感の食材に混ぜるんです。そうすると、まるでキャビアみたいなものができあがるんですよ。そうしたものを使い、「10年後、100年後にはこういう精進料理の形もあるのかもしれない」という体験を皆さんにしていただきました。
上柳:ご著書『毎日食べたい いまどき精進ごはん』や『西洋お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を拝見すると、精進料理を西洋料理として取り入れていて、とてもおいしそうですし、楽しそうです。
青江さん:精進料理は、和食やイタリアンといったカテゴリーではなく、料理を「横串」にできるものだと思うんです。
以前イタリアンのシェフとご一緒した際、私が昆布出汁でお粥を作ったら、彼はドライトマトとドライポルチーニでパスタを作りました。これは誰が見ても100%精進料理であり、かつ100%イタリアンです。こうして各地の食材や伝統と合わせることで、新しい食の未来が見えてきて面白いんです。
上柳:肉や魚、卵を一切使っていないのに、これほど豊かな食卓になるなんて驚きです。「さといものコロッケ」が本の中で紹介されていますが、本当においしそうですね。精進料理というと、どうしても「質素で物足りない」というイメージがありますが、なぜこんなに満足感があるのでしょうか。
青江さん:精進料理は肉や魚を使わない分、どうしても脂質が不足しがちなんです。そこを補うために、あえて揚げ物やコロッケなど、油を効果的に使う工夫をしています。そうすることで、食べ応えが出るんですよ。
上柳:予想以上に豊かなメニューで、毎日食べたくなりますね。
――精進料理は、宗教や文化が異なっていても、みんなが同じものを食べられる可能性を秘めた料理だ。

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