元経済産業省官僚でエネルギー事情に詳しい政策アナリストの石川和男が2月25日、ニッポン放送Podcast番組「石川和男の徹底解説1から学ぶSAF知識」に出演。SAF=持続可能な航空燃料の普及に取り組む出光興産の担当者に話を聞いた。
(左から)佐々木真奈美、ゲストの豊津和宏氏、石川和男
SAF(サフ)は「Sustainable Aviation Fuel」の略で、「持続可能な航空燃料」と訳される。既存の航空燃料は原油から作られており、化石燃料を燃やすため大量の二酸化炭素を排出する。一方のSAFは、食用油や植物油、廃食油などのほかコーンやサトウキビ、藻などを原料にして作られる。これら原料である植物は、光合成を行い大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃焼によって二酸化炭素を排出しても、植物の光合成で吸収することで、大気中の二酸化炭素をほとんど増やすことなく航空燃料を使用することができる。二酸化炭素は地球温暖化の主な原因とされる温室効果ガスの最たるもので、排出量の削減が急がれている。
番組に出演した出光興産CNX戦略部バイオ・合成燃料事業課の豊津和宏担当マネジャーは「2050年カーボンニュートラル社会実現に向けて、航空業界の二酸化炭素削減の鍵となるSAFの国産化に取り組んでいる。2030年前後から見込まれる航空業界のSAF需要に応えるべく、国際競争力のあるSAFの供給体制構築を目指している」と語り、具体的な取り組みとしてSAFを安定供給するために欠かせない原料の確保と製造技術の実用化を同時並行で進めていると述べた。
SAF原料「ポンガミア」
その中で、現在SAFの主原料となっている天ぷら油などの廃食油は「多くの量を集めるなど原料集めに大きな課題がある」と言及。豊津氏は「原料調達が将来的に安定して経済的に供給できるかという点で非常に重要になる。当社としても廃食油などに加え、食べられない植物『ポンガミア』に代表される非食用油原料の自社開発に取り組んでいる。将来の(原料)調達の多様化を図ろうとしている」と明かした。
豊津氏によると、ポンガミアは商業規模での生産はまだ行われておらず、現状ではSAFの原料をはじめとする様々な用途における有用性、実現性を検証することが必要な段階だという。
ポンガミアは、東南アジアやオセアニアなどの熱帯・亜熱帯エリアに分布するマメ科の植物で、鞘(さや)の中に種子が入っており、種子を絞って油を抽出。その油から、SAFやリニューアブルディーゼルの原料をとることができるという。さらに、油を搾ったあとの搾りかすを乾燥させると家畜の飼料にもなるほか、種子を取り出したあとの鞘の殻はバイオマス発電の燃料になり「ひと粒で四度おいしい、ポテンシャルのある植物」(豊津氏)だという。

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