元経済産業省官僚でエネルギー事情に詳しい政策アナリストの石川和男が2月27日、ニッポン放送Podcast番組「石川和男の徹底解説1から学ぶSAF知識」に出演。SAF=持続可能な航空燃料の普及には、国をあげた新たな受益者負担のあり方の検討が必要だと訴えた。
佐々木真奈美、石川和男
SAF(サフ)は「Sustainable Aviation Fuel」の略で、「持続可能な航空燃料」と訳される。既存の航空燃料は原油から作られており、化石燃料を燃やすため大量の二酸化炭素を排出する。一方のSAFは、食用油や植物油、廃食油などのほかコーンやサトウキビ、藻などを原料にして作られる。これら原料である植物は、光合成を行い大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃焼によって二酸化炭素を排出しても、植物の光合成で吸収することで、大気中の二酸化炭素をほとんど増やすことなく航空燃料を使用することができる。二酸化炭素は地球温暖化の主な原因とされる温室効果ガスの最たるもので、排出量の削減が急がれている。
番組では2月24日~26日配信の中で、国内でSAF事業を手掛ける企業担当者と現状や今後の課題、課題解決策などについて議論してきた。
アシスタントのフリーアナウンサー佐々木真奈美は「エネルギー資源をこれまでずっと輸入し続けてきた日本が、SAFの生産国、産油国になれるということにすごくワクワクした。一方で、各企業の様々な試行錯誤のなかで課題や制約も多いと感じた」と感想を述べた。
石川は、SAFの主原料のひとつである廃食油が国内外で“争奪戦”になっており価格が高騰しているほか、新たに必要なプラントなどの建設コストも上昇しており、SAF製造のコストが上がらざるを得ない点を強調。それでも国際社会の中で日本が国として約束した2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、SAFの普及を推し進めるほかないと指摘。
「国が目標を掲げたんだから、国がちゃんと国会を通して国民合意を得るという形を取ってやっていかないと、石油会社や航空会社だけの自助努力では限界がある。僕はこれが一番大きな課題だと思う」と持論を展開。
加えて、今や航空機は旅行やビジネスで特定の人が使うだけのものではなく、生活に欠かせない物を運ぶ手段としてなくてはならない社会インフラのひとつだ。その分野で二酸化炭素の排出量を削減するための意義や、解決手段としてのSAFの価値を広く社会に理解を深めていくという作業も欠かせないと訴えた。

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