全国の民放ラジオ局が協力し、ラジオの魅力とradikoの利便性を広く周知し、親しんでもらうことを目的としたradiko普及推進キャンペーン「いつでもどこでもEnjoy! radiko」が、2月24日(火)よりスタート。全国99局の個性あふれる「radikoアンバサダー」が選出されたが、ニッポン放送からは『垣花正 あなたとハッピー!』『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』などを担当する垣花正が選ばれた。
垣花正
そんな垣花にインタビューし、垣花自身が感じるradiko誕生によってもたらされたラジオ業界の変化や、『垣花正 あなたとハッピー!』が「radiko年間ランキング」にランクインしたことへの喜び、さらにニッポン放送radikoアンバサダー就任の意気込みなどを語ってもらった。
――1994年にニッポン放送に入社し、30年以上ラジオと関わっている垣花さんですが、ラジオとの出会いはいつだったのでしょうか?
誰かに薦められたわけでもなく、いつの間にか聴き始めていたように思います。おそらく最初に聴いたのは、小学4~5年生のとき。僕は沖縄県の宮古島出身なのですが、RBC琉球放送で水曜22時から放送されていた、柳卓さんというアナウンサーがパーソナリティを務めていた番組がすごく面白くて!それが初めて出会ったラジオ番組でした。友達も聴いていたので、翌日に学校でその話題で盛り上がったりして。もちろん、はがきも書いて送っていましたよ。
――すごく早い時期にラジオに触れていたのですね。
他に娯楽がなかったから(笑)。今のようにスマホもなければ、当時の宮古島はテレビにNHKしか映らなかったんですよ。ケーブルテレビに契約すると1週間遅れで民放の番組が放送されましたが、僕の親は教師で「見ちゃダメだ」と契約をしてくれなくて。そうなると僕の娯楽は漫画かラジオしかありませんでした。だから小学生でもラジオを聴き始めるのは自然の流れだったんですよね。
――そこでラジオに興味を持って、アナウンサーになろうと?
アナウンサーという職業に興味を持つきっかけにはなりましたが、就職活動ではアナウンサーになれるならどこでもいいと思っていました。ニッポン放送に内定をもらって働き始めてしばらくしてから「そういえば僕の始まりはラジオだったな」と思い出したんです。
――宮古島でもニッポン放送は聴けたのですか?
聴いてみたくてチューニングは合わせるのですが、かなり雑音混じりでしたね。深夜1時を過ぎるといろんな電波が飛び交うようになって、外国語しか聴こえないことも。それでも必死にアンテナを合わせていました。そんな悪い環境の中でラジオを聴いていた頃を思い出すと、radikoは本当に夢のようです。エリアフリーでどの地域のラジオも聴けるんですから!
――radikoがサービスを開始したのは2010年。誕生当時はどんな印象を持っていましたか?
当時は「AMの電波が聴こえづらい問題」がとても深刻でした。エリアによって有利不利があって、僕は中継コーナーでレポーターを担当していたので「ニッポン放送聴こえづらいよ」とリスナーさんから直接言われることも多かったです。局内で「どうにかならないのか?」と何度も話し合っていた時に、radikoが誕生して、「音がすごいクリアだ!」と驚いたことを覚えています。
若い頃からずっと疑問だったんです。東京のラジオ局なのに、東京都内が一番聴きづらいってどういうことだと。
もちろん、電波の問題は簡単に解決できるものではない。でもそれではダメだろうと、若い頃からずっと思っていて。その長年の課題を、radikoが一気にクリアにしてくれたんです。どの放送局も同じ条件で、クリアな音で聴ける。その“平等な土俵”ができたことは、ラジオ業界において本当に大きな功績だと思います。
――その後、radikoはラジオ業界にどのような変化をもたらしたと感じていますか?
radikoがあって、ラジオはある意味“復活”したと思っています。radikoはラジオ業界にとって間違いなくゲームチェンジャーでした。それまで“少し古いメディア”のように見られていたラジオが、スマートフォンの中に入った瞬間、一気に最新のメディアになった。あれは本当に大きな転換点でした。radikoはラジオ業界を変えたし、救った存在だと実感しています。
垣花正
――radikoが始まって、番組を意識的に変えたことはあったのでしょうか?
それはあまりなかったかもしれません。
――垣花さんは、radikoは利用されていますか?
今はradikoでしかラジオを聴かなくなってしまいました。それくらい利用しています。本当に便利!中でも、タイムフリー機能は画期的ですよね。深夜の番組であってもその時間に起きていなくたって、さらには移動中にも聴けるようになりました。自分の番組を生放送の後に聴き直したり、ザッピングして「この番組聴いてみようかな」と新しい出会いも生まれますし、radikoのなかった時の生活が思い出せないくらいです(笑)。
――エリアフリー機能はどうでしょうか。
これに関しては、僕の母が本当に感謝していました。「沖縄だと息子の番組が聴けない!」と嘆いていたのが、radikoのおかげで毎日リアルタイムで聴いてくれるようになりました。
――先日「2025年にradikoで聴かれた番組ランキング」が発表され、『垣花正 あなたとハッピー!』は「在京エリア」で2位(平日朝帯番組では1位)、「50代に聴かれた番組」男性の2位、「60代に聴かれた番組」男性1位、女性3位にランクインしました。これについての感想もお願いします。
ホッとしました。2024年のランキングでも2位だったのですが、2025年の1月に番組の盟友・森永卓郎さんがお亡くなりになりました。彼がいなくなってしまったことで番組のパワーが落ちたら、モリタクさんも悲しむだろうし、2025年は絶対にランクを下げたくなかったんです。しっかり2位を維持できたこと、モリタクさんに報告したいですね。
また、「1位じゃない」ってところも気に入っているんです。1位だとそれ以上に行けないけれど、2位だとこれから上がる余地があるから。番組にとっても2位はちょうどいいんです。
――でも、60代男性のランキングでは1位ですからね。
すごくわかりやすいですよね。40代まで全然出てこなかったのに、50代から急に出てきて(笑)。その世代のコアな層に刺さっていることがわかってうれしかったです(笑)。
――「2位はちょうどいい」とのことですが、今後は1位を目指したり、リスナー層を広げたいなどの展望などはありますか?
ないです。目指すとなると、無理しちゃうことになるので。僕は昔から、無理をするとろくなことない(笑)。これまでのように、「今やれることを頑張って、気づいたら良くなっていた」ということを継続していきたいです。
――『垣花正 あなたとハッピー!』は来年20周年を迎えます。それに向けて何か企画していることは?
よくここまで続けられたなと思います。スタートした当初はすごく聴取率が悪くて、1年で終わるかもしれないとまで言われていましたから。それがだんだん軌道修正して、企画を変えて、モリタクさんや中瀬ゆかりさんが加わって、パワーアップしてきました。
――イベントなどの予定は?15周年時のイベントは、未だかつて見たことがないくらい異色な内容でしたが……。
来年のことなので、まだ何も決まっていません。15周年のイベントを思い返すと、異色というか「異様」という言葉の方が合っている気がするくらいぶっ飛んだ内容でしたよね。モリタクさんの歌がメインでしたから(笑)。でも、お客さんみんなが喜んでいるという(笑)。本番ギリギリまで「もっとちゃんとした内容じゃないと、チケット代を払った人に失礼なんじゃないか……」と不安に思っていたのですが、『垣花正 あなたとハッピー!』のリスナーが求めているのはこれなんだ!と確信を得た瞬間でした。むしろ、お金を出して変なイベントに参加することにカタルシスがあるんだと。「俺たちリスナーは、これにお金を出すんだよ!」というプライドを感じました。
――垣花さんが番組を通じて築いてきた“リスナーとの絆”を感じた瞬間でした。
僕自身もそれを感じました。本当にありがたいことです。
――モリタクさんや中瀬さんたち、出演者の方々との絆も感じました。個性的なコメンテーターの方々とのやり取りで意識していることなどはあるのですか?
僕は、その人の“一番面白い部分”を見極めることが得意だと思っているんです。いろんな性格や趣味、考え方がある中で「この人の最大の魅力はここだ」「リスナーに刺さるのはここだ」というポイントを直感的に感じ取る。それが自分の強みだと思っています。他の番組とうちの番組とで、出演している時の顔が少し違うように感じませんか?僕は、そういう一面を引き出すのが得意なんですよ。感謝してもらえているかは分かりませんけど(笑)。やはり信頼関係があってこそ引き出せることだと思うので、引き続きコメンテーターの皆さんと良い関係を築いていきたいと思っています。
――ありがとうございます。改めて、ニッポン放送の「radikoアンバサダー」に任命されての意気込みをお願いします。
「radikoランキング」のおかげで良い気持ちにさせてもらっていますのでね(笑)。そのradikoを広めるために、できることは何でもやろうという気持ちです!僕は就活生の面接の指導もやっているのですが、アンバサダーになった日に学生たちに「radikoをまだインストールしてない人はインストールしてください」とちゃんと言っておきました。
うちの学生はマスコミ志望が多いのですが、「マスコミ志望なんだったらラジオを聴くべき」と普段からよく言っています。「ラジオは面白い」と常に思っていて、胸を張ってそう言えますので、radikoを通じて聴く人が増えたら、僕にとってもうれしいことですね。
――アンバサダーになったことをきっかけに、radikoで『垣花正 あなたとハッピー!』を聴く方が増えると思います。番組ファンに向けて、またこれから番組に触れるファンに向けて、メッセージをお願いします。
番組が好調なのはニュースを扱っていることが大きいと言いましたが、うちの番組のニュースの扱い方は、他とは少し違うんじゃないかと思っています。基本は“わかりやすく、そして面白く”。でも、誰かを強く批判してエッジを立てる、という意味の面白さではありません。僕は、どのニュースも結局は“人間臭いドラマ”だと思っているんです。経済だったら、人が物を買うのは欲があるからだし、競争もある。政治だったら、誰かに勝ちたい、認められたい、悔しい、うれしい……そういう感情が必ず背景にある。ニュースの出来事の奥には、必ず人間の欲や見栄や葛藤があるんですよね。
だから『垣花正 あなたとハッピー!』では、そういう“人間の部分”を大事にしながら解説しています。派閥や人事、選挙の裏側も、結局は人と人との関係性の話。そこにフォーカスすると、ニュースは一気に身近になる。「ニュースは堅苦しくて真面目なもの」と思っている方がいたら、うちの番組を聴くと印象が変わると思います。「自分と変わらない感情でみんな動いているんだ」と思えると、ニュースはぐっと面白くなる。その感覚を届けたいんです。それが今の『ハッピー』の一番の売りだと思っています。

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