「地球温暖化」を抑止するため、脱炭素化への取り組みが世界的な重要課題になる中、「SAF」と呼ばれる航空燃料に注目が集まっている。

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「SAF」とは廃棄物、植物、都市ごみなどの再生可能資源を原料として製造される持続可能な燃料で、従来の化石燃料に比べてCO2排出量を大幅に削減することが可能。

JALグループは2030年度までに航空燃料の約10%をSAFに置き換え.る目標を掲げ、脱炭素化を進めるための取り組みをしている。

その中でJALが注目したのが「廃食油」。飲食店だと廃食油の回収業者がいるが、家庭の場合、ほぼ捨てられているのが現状。これを何とか再利用できないかと考え、2024年から「すてる油リサイクルBOX」をスーパー等に設置してもらい、家庭から出る廃食油を回収する「すてる油で空を飛ぼう®」プロジェクトがスタートしている。

資源循環の浸透を目指すJALの取り組み「すてる油で空を飛ぼう®」
日本航空株式会社 国産SAF推進タスクフォース マネジャーの安部やよいさん 

日本航空株式会社 国産SAF推進タスクフォース マネジャーの安部やよいさん

日本航空株式会社国産SAF推進タスクフォースマネジャーの安部やよいさんは「家庭から出る年間約10万トンもの使用済みの食用油は、ほとんど固めたり吸わせたりして捨てられてしまっている。それが資源になるのを市民の皆さんにどうやったら知ってもらえるかを考えた」とのこと。「実際にどうやって持ってきてもらうかを考えた時に、環境に配慮した活動を目指し、廃食油を入れるJALオリジナル「Used Cooking Oilボトル」を作り、繰り返し廃食油を持ってきてもらえるようにした。この専用ボトルはごみを取り除く金網が付いており、回収業者にもきれいな油を届けることができる」と話す。回収に協力をしてくれる店舗を安部さん自ら探し出し、「直接食品館あおばさんに交渉をした」という。

資源循環の浸透を目指すJALの取り組み「すてる油で空を飛ぼう®」
食品館あおば本牧店にある「すてる油リサイクルBOX」

食品館あおば本牧店にある「すてる油リサイクルBOX」

食品館あおばを運営するビック・ライズ管理本部マネージャーの小泉信介さんは、「他社がやっていない事なので是非広めていきたいと思った」とのこと。食品館あおばでは約20店舗に「すてる油リサイクルBOX」を設置し、特に本牧店では月に約70~80リットルも集まっていて、通常の店舗に比べてかなり多く、環境に対する意識も高い。

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ビック・ライズ管理本部マネージャーの小泉信介さん(右)と食品館あおば本牧店の佐藤和泉さん

ビック・ライズ管理本部マネージャーの小泉信介さん(右)と食品館あおば本牧店の佐藤和泉さん

食品館あおば本牧店の佐藤和泉さんは「お客さまから嬉しいというお声を頂いており、声に比例して量も集まっている。

実施して良かった」と話す。ビック・ライズは茨城県鉾田市に太陽光発電所設備を保有し、自然エネルギーによる発電を行うことでCO2排出の削減に貢献するなど、環境への取り組みに注力している。

JALは、SAFを活用することにより創出されるCO2削減の環境価値を証書化し、JALグループの便を利用する法人旅客に証明書を提供するプログラム「JAL Corporate SAF Program(JCSP)」を実施している。

資源循環の浸透を目指すJALの取り組み「すてる油で空を飛ぼう®」
浦安D-Rocks イベントでの廃食油回収の様子 

浦安D-Rocks イベントでの廃食油回収の様子

千葉県浦安市を拠点とするラグビーチーム「浦安D-Rocks」では、ファンの方が家庭で使い終わった廃食油を試合会場に持参、JALが回収するイベントを毎月行っている。廃食油の回収とJCSPプログラムの併用によって、「ファンの皆さまから油を集めて、それを選手が遠征や合宿に行く時にJCSPを購入頂き、ファンの油で空を飛ぶというストーリーが出来上がっている」と安部さんは話す。

また、3月2日を「SAFの日」と銘打ち、様々な展開をしている。「身近なとこでSAFに関わることができるので、まだSAFを知らない人に、この機会に知っていただきたい」と述べた。

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