最近、よく耳にする言葉「アップサイクル」。本来廃棄されるはずだったものに、デザインやアイデアなどの新しい付加価値を加えて、別のより価値の高い製品に生まれ変わらせる取り組みのことで、環境面と経済面の両方で多くのメリットがある。

そんな中、全日空(ANA)の社員が、古くなった客室のシートカバーが捨てられていくのを「もったいない」という発想から商品化となり、好評を得ている。

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ルームシューズ+クッション

航空機で使用されるシートカバー。定期的な交換により、月に約千枚が廃棄されるという。その中で状態の良いものをクリーニングし、再利用して作られたものが「ANA特製ルームシューズ」ただ、それだけでは満足せず、さらにこれらの製作過程で残ったシートカバーの切れ端をさらに有効活用できないかと、小さな切れ端から余すことなく正方形に切り出し、1枚1枚を丁寧に縫い合わせて新しい商品「ANA特製パッチワーククッション」も完成。ボーイング767や787、エアバスA320など普通席やプレミアムクラスのシートカバーの切れ端を使って作られている。一つずつ手作りなので様々な柄も。裏面には座席クラスの仕切りカーテンを使用し、細かな部分までアップサイクルにこだわり、シートの約85%まで活用できているという。今後も色や柄などを変えつつ、発売を検討している。

廃棄する備品を新たな商品に ANAアップサイクルプロジェクト
整備服から作成されたバッグ

整備服から作成されたバッグ

さらにANAの整備士が着ている作業服。本来なら廃棄される古い整備作業着の中で、汚れのひどくない生地を選び、再度クリーニングし「ANA」のロゴや胸ポケットにチャック、ペン入れなどを生かしてデザイン。トートバッグやサコッシュなど商品化にして販売。作業着が再生できるかどうかについては、生地の傷みや色あせ、チャックが壊れているなど、使える部分の有無をひとつずつ手作業で選定をし、そこから職人の方が解体して型をとり、縫製まで行うので一つずつオリジナルなものに仕上がっている。

廃棄する備品を新たな商品に ANAアップサイクルプロジェクト
ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社ミライをツクル事業部 矢羽田雅和マネージャー

ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社ミライをツクル事業部 矢羽田雅和マネージャー

ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社ミライをツクル事業部 矢羽田雅和マネージャーは、「気持ちの中で今まで以上に物を捨てるという意識に変化が見られた。無駄なものを出さない。それをリメイクやリサイクルとしてよみがえらせて新たなものに価値を意識し始めた。もともと障がいのある社員の活躍を推進する会社で、社員の85%が何らかの障がいを持っている。この整備服の仕分けをしているメンバーはプライドと喜びをもって仕分けをしてくれている。社会課題に対してプロセスの中でうまく循環している」と話す。

全日本空輸株式会社CX推進室CX戦略部の宗形明日香さんは、「ANAグループ全社で年間を通してSafety AwardやSustainabillity Awardなど5つのカテゴリで表彰する”ANAs Way AWARDS”でサスティナビリティアワードを受賞し、その中で持続可能な働きについてさらに素晴らしい働きをした方に贈るAFPアワードも受賞している」とのこと。今後も継続的な販売を目指し、環境に配慮したSDGs活動につながるビジネスモデルを展開していく。

AFPとは、ANAグループの持続可能な社会の実現を目指す「ANA Future Promise」の事で、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」に配慮したESG経営を推進している意味を指す。

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