冷蔵庫のドアポケットに卵を収納している人も少なくないはず。「避けた方がよい」なんて話も聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。


「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。

(今回の質問)
冷蔵庫のドアポケットに卵を入れない方がよいって本当?

(回答)
ドアポケットの温度は、庫内よりも最大5℃高いことがあります。卵は棚に入れましょう。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■卵をドアポケットに入れるとどうなる?
一般的に冷蔵庫内の食品の中心温度は、4℃になるように設定されています。これは、日本産業規格(JIS)において冷蔵の条件が10℃以下と定められていて、さらに食品が凍りにくく、傷みにくい温度として4℃が目安となっているためです。

冷気は庫内背面上部から吹き出すことが多いため、上奥が最も冷えて、棚の下段はやや温度が高くなります。ただし、上位モデルでは背面全体から均一に冷気を吹き出したり、緻密にセンシングしたりすることで、冷蔵庫内の温度差がほとんどないモデルもあります。とはいえ、それは棚の部分だけです。

ドアポケットは、外気にさらされやすく、さらに冷気の吹き出し口から遠いため、温度が上がりやすい場所です。一般的にドアポケットの温度は7~9℃になることが多く、卵をそこに置くと冷蔵庫の開閉により頻繁に温度変化にさらされることになります。さらに卵の殻には雑菌が付いていることもあります。
温度変化によって付着していた菌が活性化したり、他の食材に付着してしまうリスクもあります。

■黄身が破れやすくなるという問題も
卵を頻繁に揺らすと黄身が浮き上がって殻についてしまうことがあります。そうなると卵を割ったときに黄身が破れやすくなったり、ゆで卵を作ったときに黄身が白身から出てしまったりします。卵は庫内の棚に入れて、できるだけ揺らさないように保存しましょう。

比較的新しい冷蔵庫は、卵ケースがドアポケットではなく本体側に付いていることが増えています。これも、卵をドアポケットに収納しないようにするためです。

この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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