冷蔵庫の自動製氷機で作った氷を使おうとしたら、なんだか臭い……。こんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。


「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが、おすすめの対処法を解説します。

(今回の質問)
自動製氷機で作った氷がなんだか臭いです……。原因は何ですか?

(回答)
給水タンクやパイプ、製氷容器などにカビが発生したり、汚れが付着している可能性があります。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■給水タンクは週に1回、製氷トレイは年に1~2回はお手入れを
ミドルクラス以上の冷蔵庫には一般的に自動製氷機能が搭載されています。これは給水タンクに水を入れておけば、自動的に氷が作れる便利な機能。その都度、製氷トレイに水を入れて冷凍庫にセットするといった手間がかかりません。

一般的には水道水には清潔性を保つために十分なカルキ(次亜塩素酸カルシウム)が含まれており、雑菌などは繁殖しにくくできています。とはいえ、冷蔵庫を長く使っていると、給水タンクや製氷トレイなどが汚れてニオイが発生することがあります。

基本的には給水タンクは週に1回、製氷トレイは年1~2回はお手入れしましょう。給水タンクはざっと水洗いでOK。ニオイなどを感じるようになったら、中性洗剤で洗いましょう。
ただし、製氷トレイが取り外せない冷蔵庫もありますし、内部のパイプなど取り外せない部品がニオイの原因になる場合もあります。

こういった課題を解決するため、独自の機能を搭載しているメーカーも少なくありません。日立の場合、「製氷おそうじ」機能を搭載しています。これは給水タンクの水を使ってパイプなどを掃除する機能。約4分で掃除できるので、ニオイを感じたり、長時間使っていない場合は掃除してみましょう。同じくパナソニックでも製氷皿が取り外せないモデルでは「製氷おそうじ」機能が利用できます。

■ミネラルウォーターを使うとニオイが発生しやすい!?
氷からニオイが発生する原因の1つとして、ペットボトルなどのミネラルウォーターの利用や浄水器を通した水の利用があります。これらの水にはカルキ(次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウム)が含まれていないので、雑菌が繁殖しやすくなります。パナソニックでは給水タンクのお手入れは週1回の水洗いでOKとしていますが、ミネラルウォーターや浄水を使う場合は週2回程度のお手入れが必要だとしています。

こういった背景から、自動製氷機能を使う場合は必ず水道水を使うことをおすすめします。例えばお酒用にするなど、ミネラルウォーターで氷を作りたい場合は、自動製氷機能ではなく、別の製氷トレーを使って作るとよいでしょう。

また、レアケースですが、冷蔵庫や冷凍庫の食品からニオイが移ることもあります。
ニオイの強い食材はきちんとふたやラップをして、ニオイが漏れないようにしましょう。ニオイを吸った古い氷を溜めないように定期的に貯氷ケースをきれいにするのも有効です。

この記事の執筆者: コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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