1日の来場者数が20万人以上を記録するなど、大盛況で幕を閉じた大阪・関西万博。終盤になるにつれ、混雑の度合いが増す様子が報道されましたが、実際に足を運んだ人は、どのパビリオンが印象に残ったのでしょうか。


All About ニュース編集部は2025年9月19~22日、全国10~70代の男女250人を対象に「大阪・関西万博」に関するアンケート調査を実施しました。今回は、「大阪・関西万博で最も満足度が高かったと思う海外パビリオン」をランキング形式で紹介! 全パビリオンを制覇した旅行ジャーナリスト・村田和子さんにも話を伺いました。

■2位:ドイツ/28票
2位は「ドイツ」でした。「わ! ドイツ」と名付けられたドイツパビリオンでは、循環経済(サーキュラーエコノミー)がテーマとなっていました。

この特徴的なタイトルには、循環を表す「環(わ)」、調和を意味する「和(わ)」、そして驚きや感動の「わ!」という3つの意味が込められており、言葉遊びとして工夫されています。

建物そのものが持続可能な循環型建築の実例として機能し、空間デザインと展示内容が融合した独特の世界観をつくり出していました。訪れた人々は、この空間での体験を通じて、循環型社会という未来の可能性を感じ取ることができたようです。

回答者からは「最新の環境技術やサステナブルな建築展示が充実しており、体験を通して未来の生活を強くイメージできたからです。展示の規模も迫力があり満足しました(30代女性/大阪府)」「最新技術を体感できる展示が多く、未来志向でありながら環境問題への配慮も感じられた点が印象的だった(30代女性/秋田県)」「見た目も可愛いサーキュラーを持ち歩いて回るというのが子供も大人も楽しめた。椅子に腰掛けて見上げながら鑑賞する展示も面白かった(30代女性/愛知県)」などの声が寄せられています。

■1位:イタリア/29票
1位にランクインしたのは「イタリア」。マリオ・クチネッラ・アーキテクツ(MCA)が設計したイタリアパビリオンは、「アートは人生を再生する」をコンセプトに掲げていました。


空間構成のヒントとなったのは、ルネサンス期に思い描かれた理想都市です。館内には劇場、ポルティコ(列柱廊)、広場、そして庭園といった、イタリアの都市文化を象徴する要素が巧みに配されていました。

毎日18時になると、円形劇場ではさまざまなライブパフォーマンスが開催されたほか、大屋根リングからはファルネーゼ・アトラス像を中心に、ティントレットやカラヴァッジョの名作が並び、驚異のギャラリーのような光景を眺めることができたようです。

回答者からは「展示品の充実度が素晴らしい。まず日本でお目にかかることができないであろう品々が惜しげもなく展示されているうえ写真撮影OKで 、感激しました(50代女性/岐阜県)」「まるで美術館に迷い込んだようで、本物の名画と本格イタリアンに心奪われる、芸術と味覚の贅沢空間だったから(50代男性/広島県)」「ダビンチの直筆やミケランジェロの彫刻など展示内容が飛び抜けて素晴らしかったです(70代男性/広島県)」などの声が寄せられました。

■村田和子さん「ベスト3は“当たり”パビリオン」
海外パビリオンは、国により展示の内容も規模感もさまざま。並んで入った割には「すぐに見終わった」「期待と違った」という感想が聞かれるパビリオンもありました。

そんな中、ベスト3に入った「イタリア」「ドイツ」「フランス」は、各国の特徴を前面にした展示で、時間をかけて見学したい「当たりパビリオン」。

1位の「イタリア」は、本物の作品が醸し出す迫力が素晴らしく、閉幕間際まで新たな作品が次々とお披露目されたことは記憶に新しいことでしょう。長い待ち時間にもかかわらず、人が絶えないという点では文句なしのナンバーワン! 

2位のドイツは、歴代の万博でも常に評価が高いことで知られるパビリオン。 「循環経済」というテーマを真摯(しんし)に追及した充実の展示と、それを解説するかわいらしい相棒「サーキュラーちゃん」とのコラボが人気に。

万博マスコットキャラクターの人気投票で1位に輝いたサーキュラーちゃんは、グッズの人気も高く、ショップに長時間の列ができたほど。
また閉幕間際の混雑する中で、並び列の順番をきちんと整え、システマチックに運営する姿に、筆者はドイツのお国柄を感じ好感を持ちました。

フランス館は、おしゃれなパビリオン外観、伝統的な工芸品からフランスを代表するブランドまで華やかで見応えのある展示の数々は、特に女性に人気が高かったようです。

もう1つ注目したいのが、ランキング内に、クゥエート、ヨルダン、サウジアラビアと中東のパビリオンが入っていること。日本から遠い存在に思えた「中東の国々」が、万博でぐっと身近になったと感じます。

村田 和子 プロフィール
関西在住の旅行ジャーナリスト。通期パスで大阪・関西万博に通い、パビリオンを全制覇。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!

■調査概要
調査期間:2025年9月19~22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国10~70代の男女250人
※回答者のコメントは原文ママです

※本調査は全国250人を対象に実施したもので、結果は回答者の意見を集計したものであり、全体の意見を断定的に示すものではありません
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