「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに世界中から多くの来場者を集め、大盛況のうちに幕を閉じた大阪・関西万博。各国パビリオンに加え、企業による多彩な民間パビリオンも展開されました。


All About ニュース編集部は2025年9月19~22日、全国10~70代の男女250人を対象に「大阪・関西万博」に関するアンケート調査を実施。今回は、その中から「大阪・関西万博で最も満足度が高かったと思う民間パビリオン」の結果をランキング形式で紹介します。全パビリオンを制覇した旅行ジャーナリスト・村田和子さんにも話を伺いました。

■同率2位:よしもと waraii myraii館/30票
同率2位の1つ目は、「こころとからだの健康につながる、笑いのチカラ」をテーマに掲げていた「よしもと waraii myraii館」。企業や大学など多様な機関と連携しながら、笑いが持つ可能性を探求し、その成果を世界に向けて発信する場となっていました。

“笑顔の球体”を目印とした広場では、日替わりでエンターテインメントが繰り広げられ、その日の天候も生かしながら、その場に居合わせた人々と共に創り上げる一期一会の体験ができました。言葉や文化の違いを越えて、訪れた一人ひとりが主役となるお祭りのような空間となっていたようです。

回答者からは、「芸人さんがくるのはもちろんですが、来場者が一緒になって参加できるようなイベントが面白かった(20代女性/大阪府)」「遠くからでも見えて吉本の芸人さんがMCをしていてとても面白かったです。笑顔を集めるって素敵でした(30代女性/兵庫県)」「身近にあるお笑いと大阪という土地柄を生かしたところが楽しく、歩き疲れたり待ち疲れたときの癒しだった(20代女性/京都府)」といった声が寄せられています。

■同率2位:GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION/30票
もう1つ、2位にランクインしたのは、「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」です。

ガンダムシリーズが長年描き続けてきた宇宙での生活や未実現の科学技術を、これからの未来の可能性として提示する、バンダイナムコホールディングスのパビリオンです。

来場者は「宇宙世紀」という設定の中で、大阪・夢洲(ゆめしま)の「夢洲ターミナル」から軌道エレベーターに乗り、宇宙ステーション「スタージャブロー」へと向かう旅を体験! 屋外には、宇宙と未来へ手を差し伸べる新たな姿で立つ、約17メートルの実物大ガンダム像が展示されていました。


回答者は「子供の頃、家のブラウン管のテレビでわくわくしながら観ていアニメの世界が眼の前でリアルな体験として感じられた事に感慨深く感じたから(50代男性/大阪府)」「実物大の展示や映像演出が圧倒的で、まるで作品世界に入り込んだような臨場感を味わえました(30代女性/大阪府)」「巨大なガンダムのオブジェが存在感を出している。会場限定のグッズが販売されていて、男性客がとても多かった(30代女性/大阪府)」といったコメントをしています。

■1位:住友館/35票
1位に輝いたのは「住友館」でした。住友館では、社会や環境に対する関心を持ち続けてもらうことを目指し、森の中でさまざまな“いのちの物語”と出会えるインタラクティブな体験を提供していました。

中でも来場者参加型プログラム「植林体験」では、数十年、数百年後の森を守るために、自らの手で苗木を植えるという貴重な体験ができました。

訪れた人々は、森や自然と向き合い、未来へ思いをはせることの大切さを感じるきっかけとなったことでしょう。一時的な展示にとどまらず、長い時間軸の中で生命と環境のつながりを実感できる場となっていました。

回答者からは「植林体験がとてもよかった。自分の願いが遠く未来のことを考えて叶えさせる取り組みはとてもよかった(20代女性/兵庫県)」「ランタンを持ってパビリオンの中を周れるので、冒険感もあるし映えるし楽しかったです(20代女性/大阪府)」「木の香りを感じながら「森」を体験できる素敵なパビリオン。シアター上映もとても楽しめた(60代男性/愛知県)」というコメントが寄せられました。

■村田和子さん「1位の住友館はリピート熱も高かった」
民間パビリオンの中でも、開幕から人気で予約が困難とされた「住友館」。当日に並んで入場も可能でしたが、あまりの人気にLINEアプリを使用した抽選システムが導入されたほど。


ランタンを持ちながら森を冒険するワクワク感、未来へつながる「植林体験」など、自然を身近に感じて共存する世界観は、大人から子どもまで楽しめて、リピート熱も高いパビリオンでした。

2位の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、アニメを知る世代には懐かしく、若い世代には、映像の迫力などが注目されました。実は収容人数が比較的多かったことや、ガンダム像と大屋根リングを背景に写真を撮るのが万博の記念として広まったことなども、ランキング上位につながったと感じます。

同率2位の「よしもと waraii myraii館」は、「赤い球体の内部見学は、あっという間に終わり期待外れ」という厳しい声もありましたが、その魅力の神髄は舞台を有する広場。多くの芸人が登場し、時に観客参加型のイベントも実施されるなど、「交流・参加型」という点では、他にないユニークなものでした。

夜には盆踊りやカラオケなどで賑わい、特に万博の混雑が本格化しパビリオン入場が厳しくなった9月以降、足を止め楽しんだ人も多かったのでは? 関西以外からの来場者にとっては「THE大阪」の雰囲気も新鮮に映ったことでしょう。

村田 和子 プロフィール
関西在住の旅行ジャーナリスト。通期パスで大阪・関西万博に通い、パビリオンを全制覇。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。
大人旅、ひとり旅も得意!

■調査概要
調査期間:2025年9月19~22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国10~70代の男女250人
※回答者のコメントは原文ママです
※本調査は全国250人を対象に実施したもので、結果は回答者の意見を集計したものであり、全体の意見を断定的に示すものではありません
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