世界から158の国・地域と7つの国際機関が参加し、2025年4月から10月にかけて開催された大阪・関西万博。多彩な海外パビリオンはもちろん、国内パビリオンで展開された革新的な技術や文化体験も来場者を魅了し、大盛況のうちに幕を閉じた歴史的なイベントとなりました。


All About ニュース編集部は2025年9月19~22日、全国10~70代の男女250人を対象に「大阪・関西万博」に関するアンケート調査を実施しました。今回は、その中から「大阪・関西万博で最も満足度が高かったと思う国内パビリオン」の結果をランキング形式で紹介! 全パビリオンを制覇した旅行ジャーナリスト・村田和子さんにも話を伺いました。

■2位:日本館/82票
2位には、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を、開催国として体現する場「日本館」がランクインしました。

日本館のコンセプトは「いのちと、いのちの、あいだに」。このテーマのもと、会場で出た生ゴミを電気に変えるバイオガス発電など、日本の得意な最新技術を使った循環の仕組みが実際に動かされていました。

日本が誇る先端技術を活用したこの取り組みは、単なる展示にとどまらず、来場者が持続可能な社会について考え、日々の行動を見直すきっかけを与える場となっていたようです。

回答者からは、「万博会場内で出たゴミを微生物の力で分解し、そこから新しいものを作り出す、という内容の展示。開催国として相応しく、また誇らしい展示だった(20代女性/東京都)」「七夕の時期に行ったので短冊を描いたり子供が楽しんでいました。日本館限定のドラえもんもゲットできたので満足です(20代女性/神奈川県)」「和紙や木材を使用した空間デザインが、見ていて暖かみがあり素敵でした。火星の石も見れました(40代女性/大阪府)」といったコメントが寄せられました。

■1位:大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn/93票
1位に輝いたのは、開催地である大阪が「REBORN(リボーン)」をテーマに出展した「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」でした。「人は生まれ変われる」「新たな一歩を踏み出す」という2つのメッセージが込められていたパビリオンです。


館内では、未来のヘルスケアや都市生活の体験展示に加え、日本が世界に誇るiPS細胞を軸とした再生医療の可能性が発信されていました。

屋外ステージでは主に健康啓発をテーマにしたイベントが開催され、自分らしい生き方を見つめ直し、自身の価値観や生きがいを再発見するきっかけを提供。来場者が「いのち輝く未来社会」への新たな一歩を踏み出すきっかけとなる、さまざまな仕組みを届けていました。

回答者からは「心筋シートの展示が良かったと思うからです。日本の技術の進歩を感じることができました(30代女性/東京都)」「自身が25年後にどのような体や容姿の状態になっているのか見ることができたり、今の自身にあったいるものや健康状態が分かり興味深かった(30代女性/埼玉県)」「バーチャルでの医療体験や、ゲノム解析を使った健康提案など、近未来の健康が感じられる医療テクノロジーの体験が興味深かったので(50代男性/大阪府)」という声が挙がっています。

■村田和子さん「ヘルスケアパビリオンはリボーン体験が話題に」
1位のヘルスケアパビリオンは、体を測定し25年後の自分の姿に出会える「リボーン体験」が話題になり、予約が難しいパビリオンの1つになりました。他方、ミライ人間洗濯機やiPS細胞を活用した再生医療の展示があるアトリウムは予約なしで見学ができ、展示内容も充実。さまざまな見学コースがありますが、どれも訪れた人の満足度は高く納得のランキング結果といえるでしょう。

2位の日本館は、開催国のパビリオンらしい堂々とした建築が素晴らしく、循環をテーマにさまざまな角度からの展示も興味深いものでした。専門的な内容も多い一方で、キャラクターを用いた親しみやすい展示もあり、子どもから大人まで楽しめることが満足度につながったと感じます。

3位の「未来の都市」は大屋根リングから離れた足を運びにくい立地ながら、体感型で近く訪れる未来を垣間見られる展示の数々がファミリー層を中心に人気に。収容人数も多く、期待値以上に楽しめたという声が多く聞かれました。


4位の関西パビリオンは、開幕当初に筆者が訪れたときには、パビリオンの中に都道府県の工夫を凝らしたブースがあり、一度でたくさん楽しめると人気でした。ただ混み合うにつれ予約してパビリオンに入場しても、中のブースで待ち時間が発生することが恒常化し、不満の声が聞かれるように。万博全体を通じて、クオリティーと待ち時間の兼ね合いは難しい課題だと感じます。

村田 和子 プロフィール
関西在住の旅行ジャーナリスト。通期パスで大阪・関西万博に通い、パビリオンを全制覇。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!

■調査概要
調査期間:2025年9月19~22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国10~70代の男女250人
※回答者のコメントは原文ママです
※本調査は全国250人を対象に実施したもので、結果は回答者の意見を集計したものであり、全体の意見を断定的に示すものではありません
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