All About ニュース編集部は、2025年9月19日から22日にかけて、全国の10代から70代までの男女250人を対象に「大阪・関西万博」に関するアンケートを行いました。今回は、その調査の中から「大阪・関西万博で最も満足度が高かったと思うゾーン」について、ランキング形式で結果を紹介します。また、全パビリオンを訪れた旅行ジャーナリストの村田和子さんにもお話を伺いました。
■2位:コネクティングゾーン(ドイツ、サウジアラビア、スペインなど)/39票
コネクティングゾーンは、東ゲートと西ゲートを結ぶ通りの北側、大屋根リングに沿って広がるエリア。47カ国のパビリオンが軒を連ね、アジアやヨーロッパ、アフリカなど世界各地から集まった海外パビリオンが並んでいました。
大半のパビリオンがレストランを併設しているため、各国の本格的なグルメを堪能できるのも魅力で、館内の展示や体験と合わせて、まるで世界旅行をしているかのような気分を味わえました。このゾーンには1つの建物に複数の国が入る共同館「コモンズ-B」と「コモンズ-F」もあり、アフリカや中南米といった日本から遠く離れた国々を一度に巡れる貴重な機会となっていました。
回答者は「民族衣装を着た方や、国の雰囲気に合った建物で、海外旅行をしているように感じました(30代女性/京都府)」「街並みとしての建物の外観がとても雰囲気があり、異国にいるような錯覚に陥るようなゾーンだったから(20代女性/大阪府)」「サウジアラビアのパビリオンが特長的で、中に入ると中東特有の細い路地のような作りになっていて、異国感が漂っていて万博ならではの体験が出来たので満足度が高かったです(40代女性/京都府)」などとコメントしています。
■1位:静けさの森ゾーン/59票
静けさの森ゾーンは、万博会場の中央、さらにいうと大屋根リングの真ん中に位置する、約2.3ヘクタールの緑地空間でした。
「いのち輝く未来社会のデザイン」のシンボルとして、万博記念公園や大阪府内の公園から間伐予定だった約1500本の樹木を移植し、枯れゆく命を再生させた場所です。不ぞろいの樹木を組み合わせることで多様性を表現し、会場のさまざまなパビリオンをつなぐ役割を果たしていました。
テーマ事業プロデューサーの宮田裕章さん、会場デザインプロデューサーの藤本壮介さんらによる「静けさの森アートプロジェクト」では、オノ・ヨーコ、レアンドロ・エルリッヒ、トマス・サラセーノ、ピエール・ユイグ、ステファノ・マンクーゾ and PNAT(敬称略)という世界的に著名な5組のアーティストによる作品が点在していました。
回答者からは、「合わせ鏡を使った不思議な空間に迷い込んでみたり、石像の手触りに驚いたり、植物の呼吸に耳を澄ましたりと不思議な空間が広がりました(50代女性/愛知県)」「森の中でくつろぐことができましたし、森の中にいくつものアートプロジェクトが点在していて、興味深い体験ができました(60代女性/滋賀県)」「木々や水の音、香り、光の演出など、視覚・聴覚・嗅覚を使って自然を感じられたからです(20代女性/広島県)」といった声が寄せられています。
■村田和子さん「静けさの森は驚くほど静かで落ち着くスポットだった」
2位のコネクティングゾーンは、オーストラリア、スペイン、インドネシアなど、外にステージを持つパビリオンが多く、音楽や民族舞踊など各国の個性あふれるイベントが開催されにぎわいました。
建築も多彩で、サウジアラビアの伝統的な町並み「スーク」をイメージしたサウジアラビアパビリオン、半面を鏡に映した虚像が印象的なタイパビリオン、テーマである「循環」を表現した、輪が連なるデザインのドイツパビリオンなど、ユニークな建築が集まりました。
大屋根リング沿いということもあり上からパビリオンやイベントの様子を垣間見ることもでき、中に入らずとも異国情緒を感じられたのも満足度につながったのではないでしょうか?
1位の静けさの森ゾーンは、にぎわう会場の中央にありながら、その名の通り閉幕間際まで驚くほど静かで落ち着くスポットでした。間伐される予定だった木々を再生した森には、季節の花が咲き、秋には虫の鳴き声も響くなど四季が感じられる癒しの空間。混雑で疲れたときには自然と足が向いたという方も多いのでは?
他方、会場の中央ということで、中を横切って移動を試みると、なかなか思った場所へたどり着かないという全貌が分かりにくい側面も。私を含め森の中をさまよった人もいたことでしょう(今となっては懐かしい思い出です)。
特筆すべきは、オノ・ヨーコさんをはじめ世界的なアーティストの作品が点在していること。森の手入れをしながらスタッフが作品の説明をしてくれるなど、緩やかな人のつながりも心地よい空間でした。会期終了後も「静けさの森」は残ることが発表され、万博を機に生まれた森が年月を経て育つ様子を見守れるのもうれしいことだと感じます。
村田 和子 プロフィール
関西在住の旅行ジャーナリスト。通期パスで大阪・関西万博に通い、パビリオンを全制覇。
■調査概要
調査期間:2025年9月19~22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国10~70代の男女250人
※回答者のコメントは原文ママです
※本調査は全国250人を対象に実施したもので、結果は回答者の意見を集計したものであり、全体の意見を断定的に示すものではありません