冬休みが明けると、教室には少しだけ空気の変化があります。

髪形や服装が大きく変わるわけではありませんが、先生たちは子どもたちの「持ち物」に目が向きます。
クリスマスやお年玉をきっかけに、新しい物を手にする時期でもあるからです。

冬休み明け、現場の先生が特に気にする「ニューアイテム」とは何なのでしょうか。大阪の現役小学校教員・松下隼司さんに、教室で実際に起きている変化を聞きました。

(今回の質問)
冬休み明け、先生が子どもたちの持ち物で一番警戒している「ニューアイテム」は何ですか?

 (回答)
一番気になるのは「スマホ」です。「文房具」も変わり目です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■冬休み明け、先生が一番気になるのはスマホ
冬休みは短いけれど、お年玉やクリスマスがあります。お出掛けした時に、お家の人は自分の子どもに、つい「買ってあげよう」となりがちですね。私もそうです。

冬休み明けに一番気になるニューアイテムは、スマートフォンです。といっても、学校に持ってくるという意味ではありません。家でスマホを持ち始めたことで、子どもの様子が少し違うと感じることがある、という意味です。


全員ではありませんが、スマホを持つと、性格や生活がガラリと変わってしまうことがあります。

子どもの変化として分かりやすいのは寝不足です。授業中にぼーっとしていたり、返事が少し遅かったり。話を聞いてみると、夜中の12時より遅い時間や、午前3時まで起きていたということも多い。スマホを充電するような感じで、家でしっかり休めるといいのですが。

それだけしか寝ていないのに、よく頑張っているなと驚くことが多いです。寝不足ってイライラするでしょう? それなのに、よく授業頑張っているな、よくイライラせず友達とのトラブルも少ないなって。本当にすごいです。

■冬休み明けは、文房具が一気に変わる
冬休み明けは、文房具が一気に新しくなる時期でもあります。どんどん新しい文房具が出ますし、下敷きがどんどん派手になっていくな……と思うことも。授業中、やっぱり見てしまいますね。

数年前、びっくりしたのは、剣の定規。
持ち手があって、先がちょっととがってナイフみたいな形をしているんですね。これは手にした時、振り回したくなる子もいるでしょう。でも「これは定規」と言われれば、定規ですしね(苦笑)。今のところは気になりながらも見守るしかありません。さすがに振り回したら怒りますよ?

教師としてはそう思いますが、子どもの目線で考えると気持ちは分かります。かわいい鉛筆、格好いい定規、お気に入りのキャラクターが載っている下敷きを持つと、それだけでテンションが上がります。授業中にこれを使うのがうれしいっていうのは分かりますね。

一方で、気になるのが、かなり短くなった鉛筆です。指先だけで持つような長さの鉛筆を使っている子を見ると、そっちの方が気になるようになりました。「これあげるわー」と言って長い鉛筆を渡すこともあります。

消しゴムも同じで、鉛筆で刺してボロボロになっているものを見ると、「刺さんといたってよ」と声をかけることがありますね。

松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。
令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。「先生を続けるための『演じる』仕事術」(かもがわ出版)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWEB戦略コンサルティングも行う。
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