3学期に入ると、学校の先生たちの間で、少しずつ話題に上がり始めることがあります。それが、来年度の人事です。


誰がどの学年を持つのか、誰と同じ学年を組むのか。正式な発表はまだ先ですが、先生たちはそれぞれに予想を始めています。

大阪の現役小学校教員・松下隼司さんも、その1人。3学期ならではの「先生あるある」を聞きました。

(今回の質問)
3学期の「学校の先生あるある」はありますか?

 (回答)
来年度の人事を予想することです。多くの先生は3学期に入ってから、誰がどの学年を持つのか、誰と組むのかを予想し始めると思います。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■3学期に入ると、来年度の人事を予想し始めます
3学期の学校の先生あるあるとして思い浮かぶのは、来年度の人事を予想することです。私は少し早い方で、冬休みの頃から考え始めます。帰省しているときにも、「来年度はどうなるかな」と、つい頭の中で組み立ててしまいます。

多くの先生は、年度末の2月や3月頃から考え始めると思います。だいたい、「この先生は異動しそうだな」とか、「6年生はこの先生かな」「1年生はこの先生かな」と、ある程度は見えてきます。
そこから、「この主任の先生に合わせられるのは、この先生かな」とか、「若手はこの先生しかいないな」とか、いろいろ考えます。

「この先生とこの先生は、次は絶対もめそうやな」とか、「3、4年で近過ぎるのもよくないな」とか。頭の中で、ああでもない、こうでもないと並べ替えていきます。

■校長先生になったつもりで、配置を考える
人事を考えるときは、校長先生になったつもりで、頭の中で配置を考えます。1、2年、3、4年、5、6年と、同じ学年の先生は机の位置も近くなります。「この先生とこの先生は相性があまりよくないから、一緒になったらしんどいかもしれないな」とか、「この先生、ちょっとかわいそうやな」と思うこともあります。

4月になったら、答え合わせのような気持ちでメモと実際の人事を見比べます。予想が当たっていたら、なんだかうれしいですし、外れていたら、「まだ読みが足りなかったな」と思います。年度明けには、「校長先生は、どうしてこの人事にしたのだろうか」と、その意図を考えるのも毎年のことです。

夜遅くまで職員室で残業しているとき、ほかの先生と、「来年、この学年は誰が持つと思います?」とか、「6年生は誰でしょうね」と話しながら、予想し合うこともあります。

■何年生を持つかより、「誰と組むか」が一番大事
人事について考える中で、私はだんだん分かってきました。何年生を持つか、どの学年を担当するかよりも、同じ学年を誰と組むかが、一番大事だということです。
どんなしんどい学年でも、誰と一緒にやるかで、全然変わります。

一緒に組んでいる先生が、「どうしたん?」と声をかけてくれたり、「私も失敗したわ」と話してくれたり、「聞かせて」「大丈夫だよ」と言ってくれると、気持ちはかなり楽になります。

一方で、監視するように「ここできてない」と言われたり、1時間でも授業進度が学年でそろっていなかったら指摘されたり、ほかの同僚たちが見ている前で厳しく言われたりするとしんどくなります。

研究授業を「若いからやって」、運動会のダンス指導を「私、ダンスが苦手だからお願いね」と押し付けられるように言われたりすることもあるあるです。だからこそ、誰と組むかは本当に大事です。

職員室も同じです。自分の席の近くに、とても怖いなと思う先生がいると、職員室に戻るのがつらくなるものです。そして、職員室ではなくできるだけ自分の教室で仕事するようになります。

逆に、職員室に戻ればすぐに話ができて、「今日ちょっと聞いて」と、お茶を飲みながら子どものことを相談できる年もあります。そういう年と、そうじゃない年がある。新年度の人事は、先生にとって本当に大きな出来事です。

松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。
令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。「先生を続けるための『演じる』仕事術」(かもがわ出版)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWEB戦略コンサルティングも行う。
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