さらに、昨今の物価高を背景に、中学生の子どもから「お小遣いを上げてほしい」とお願いされ、どう対応すべきか考えたことがある保護者もいるのではないでしょうか。
今回の調査で明らかになった中学生のお小遣いの平均額は3332円。物価高でもお小遣いの金額自体は前回調査(2025年3月調査時は3390円)からほぼ横ばいという結果でした。
一方、金額は据え置いたまま、「使い方」の工夫で対応している家庭が多い実態も見られます。
本記事では、お小遣いの平均額や制度、物価高のなかで各家庭がどのような工夫をしているのかを、保護者の声とともに詳しく見ていきます。
■中学生のお小遣い平均額は3332円——前回調査からほぼ横ばい
今回の調査で明らかになった、中学生のお小遣い平均額は月3332円。前回調査(3390円)と比較すると、平均額はほぼ横ばいと言える結果です。
学年別に見ると、中学1年生は3208円、中学2年生は3264円、中学3年生は3568円と、学年が上がるにつれて金額はやや高くなっています。
物価が上がり続けている状況を考えると、「お小遣いにも影響があるのでは?」と想像する方も多いかもしれませんが、実際にはそうした動きは限定的でした。
金額帯別に見ると、最も多かったのは「3000円」(34%)。次いで「5000円」(24%)が続き、上位2つの価格帯だけで全体の約6割を占める結果となりました。
つまり、多くの家庭が3000~5000円前後を1つの目安として設定していることが分かります。
一方で、「1000円以下」や「1万円」といったように極端に低い、あるいは高い金額を設定している家庭は少数派でした。
また、お小遣いを増やした理由については、「学年が上がったため」「交友関係・活動範囲が広がったため」という回答が大半で、物価高をあげた人は18%にとどまりました。
物価高でも、学年、子どもの生活スタイル、家庭の家計状況を踏まえて、大きな変更はせず、慎重に様子を見ている家庭が多いようです。
■お小遣いは定額制が主流、ただし「都度渡す」家庭も増加
お小遣いを考えるうえで、金額と同じくらい悩ましいのが「どのように渡すか」という点です。毎月決まった金額を渡す定額制は、管理しやすく、子どもにとっても分かりやすい方法として多くの家庭で採用されています。
今回の調査でも、「月ごとに決まった金額のみ渡している」と回答した家庭は51%と、依然として最多です。
ただし、この割合は前回調査(60%)から減少、「必要なときに必要な金額のみ」(23%)という柔軟な渡し方が増えていました。
「毎月決まった金額+必要に応じて追加」と合わせると、約半数の家庭が定額制以外、もしくは併用型を選択しています。
その背景には、中学生特有の生活変化があります。中学生になると、友人との外出など、「想定外の出費」が発生しやすくなり、月ごとの支出が一定ではなくなります。
そのため、「基本額は決めるが、用途がはっきりしているものは別で渡す」「必要なときは相談のうえで追加する」といった方法がとられていると考えられます。
■「追加で渡すお金」は何に使われている?
では、定額以外に「必要なときに渡すお金」は、どのような用途に使われているのでしょうか。
次いで多かったのが、「文房具など学用品の購入代」(70.2%)、「交通費」(63.8%)です。これらはいずれも、日常生活や学校生活に欠かせない支出で、お小遣いで賄うのか、別途渡すのかを家庭で相談するケースが多い項目といえるでしょう。
特に注目したいのが、「参考書など勉強に必要な書籍代」(55.3%)が、前回調査(31.6%)から大きく増えている点です。この結果からは、学習に関わる費用については「お小遣いとは切り分けて考える」家庭が増えていることが読み取れます。
娯楽費と学習費を分けることで、子どもが自由に使える範囲と保護者が管理・負担する範囲を明確にしようとする意識が、各家庭で強まっていると言えそうです。
■物価高はお小遣いの「額」より「使い方」に影響している
今回の調査で特徴的だったのは、「お小遣いの金額そのものは変えていない」と回答する家庭が多い一方で、「物価高の影響を感じている」という家庭が大多数を占めたことです。
平均額こそ前回とほぼ変わりませんが、中身を見てみると「お小遣いの目減り」が深刻です。
保護者からは、「同じ金額で買えるものが少なくなった」「子ども自身が値上がりを実感している」といった声が多く寄せられました。額面は据え置きでも、実際にはやりくりが厳しくなっている現状が浮き彫りになっています。
とはいえ、すぐにお小遣いの金額をあげるのではなく、まずは節約の方法を子どもに教えるなどして工夫で対応する声も多く上がっていました。
▼影響1. 同じ金額で買える量が減った「昔の5000円と今の5000円では価値が違うので、お菓子を買うのも外食するのも個数や回数が減ったと思う」(とうしかさん 埼玉県 中1男子 保護者)
「買えるものが少なくなってしまい、ストレスやフラストレーションが溜まってしまう。」(あたさん 東京都 中3男子 保護者)
「ガチャガチャが好きなので、ガチャガチャの1回あたりの価格は驚くような金額になっていると思う。
これらのコメントからは、子どもが日常的な買い物を通して値上がりを実感している様子がうかがえます。
お小遣いの使用用途してよくある、お菓子・軽食・文房具・ガチャガチャといった「少額だが頻度の高い支出」は、値上がりの影響を受けやすく、子どもの体感として残りやすい項目です。
▼影響2. 節約の工夫を教えるようになった「物価高の認識を持つように伝えて、本当に必要か見極めてから買うように教えている。」 (なおさん 埼玉県 中2男子 保護者)
「色々なものが値上がりしているので、その都度、物の値段を調べさせて、金額を決めている。」 (のりのりさん 京都府 中3女子 保護者)
「数年前と比べて同じ金額でも買える量が少なくなっているのは理解してます。家計の収入はあまり上がっていないので不要な物を買わないようにとか、安い商品で済ませるなど節約するようすすめています。」 (みーちゃんさん 福岡県 中3女子 保護者)
物価高への対応として多かったのは「お小遣い額を増やす」ことではなく、使い方の工夫でした。これらの声からは、“金銭感覚を育てる機会”として物価高を捉えている様子もうかがえました。
物価高は、家計にとっては負担である一方、中学生にとっては「限られたお金をどう使うか」を学ぶ、現実的な教材にもなっているようです。
■「お小遣いを増やしてほしい」と言われたら、まずは話し合いを
物価高や交友関係の広がりを背景に、「お小遣いを増やしてほしい」と子どもから言われる場面も出てきます。
今回の調査で、この1年間にお小遣いを増やしてほしいという要求を受けたかを聞いてみると30%の家庭が「増やしてほしいと要求されたことがある」と回答しました。
ただし、要求があった場合でも、即座に増額する家庭は少数派でした。では、増額の要求を受けたらどのように対応しているのでしょうか?
▼増額の要求を受けたら、まず「話し合い」が基本「やりくりできるかどうか一緒に考えて、納得してもらった。どうしても必要なら都度言ってもらっている。」 (みけねこさん 岡山県 中1女子 保護者)
「お手伝いなど、家庭内での貢献度が上がっていないことを話し合って改めて認識させて、必要な金額のみ渡すことは変えなかった。」(ろろさん 広島県 中2男子 保護者)
「まず今のお小遣いでやりくりすることを考えること、無駄遣いしていないか使い道を見直すこと、お小遣いが増えた分を何に使うのか明確にすることを求めた。」 (野良黒さん 岩手県 中1男子 保護者)
保護者がどのように対応したかを聞いてみると、多くの家庭が最初に行っているのは「話し合い」でした。
具体的には、本当に今のお小遣いでは足りないのか、やりくりする方法はあるか、増額する場合には何が必要かを、話し合いによって子どもと認識をそろえています。
■増額する場合は「条件付き」という判断も
1. 使い道を報告するルールを設定する
「子供から「友達との外出費が足りない」と具体的に相談があったので、まず現在のお小遣いの使い方を一緒に確認しました。そのうえで、必要な理由が納得できる場合には追加で渡して、無駄遣いが見られる時は次回から計画的に使うよう注意しました。結果的に、月額を少し増額しつつ、使い道を報告するルールを強化することで対応しました。」(紅葉さん 兵庫県 中2男子 保護者)
2. お手伝いを条件にする
「増やしてほしい理由を聞くと、納得がいく理由で一時的なものだったので、しばらくのあいだ、お風呂掃除などの手伝いをさせて、一時的に増やしました。」(のりたまさん 富山県 中3女子 保護者)
3. 成績アップを条件にする
「成績で目標を達成した時に上げることを検討すると返答。」(なかさん 長崎県 中1男子 保護者)
子どもから「お小遣いを増やしてほしい」と言われたとき、どう対応するかは、家庭の価値観や方針が色濃く出る場面です。
増額の可否だけでなく、「どう話し合うか」「何を条件にするか」といった対応方法の違いからも、それぞれの家庭が大切にしている考え方や子育て観が垣間見えます。
■中学生のお小遣い制度は何が正解? 先輩保護者に学ぶ考え方
最後に、これから中学生になる家庭へお小遣いについての先輩保護者からのアドバイスを見ていきます。ここで多かったのは「金額そのもの」よりも、決め方・話し合い方を重視する声でした。
▼アドバイス1. 「最初に話し合っておく」ことが重要「完全な月額制にするのか、その都度必要な時にもらえるようにするのかなど、まずは子供とどんなお小遣い制にするのか話し合ったほうがいいと思います。」 (AKIRAさん 神奈川県 中2女子 保護者)
「親が一方的に決めるのではなく、子供と話し合ってどういう制度にするか決めるとよい。」(レミー1023さん 京都府 中2男子 保護者)
中学生になると、「言われたから従う」よりも、「理由を知りたい」「納得したい」という気持ちが強くなります。そのため、最初にルールを共有しておくことが、後のトラブル防止につながると考えられているようです。
▼アドバイス2. 「定額制」と「都度払い」を賢く使い分ける「中学生になると交友範囲や支出が一気に広がるので、最初に「基本額」と「追加の条件」を親子で合意しておくと揉めにくいです。毎月の定額は計画的に使う練習として渡して、追加は目的・金額・時期を簡単にメモで共有する仕組みにします。」 (紅葉さん 兵庫県 中2男子 保護者)
「中学生になると交友範囲や支出が一気に広がるので、最初に「基本額」と「追加の条件」を親子で合意しておくと揉めにくいです。毎月の定額は計画的に使う練習として渡して、追加は目的・金額・時期を簡単にメモで共有する仕組みにします。」 (紅葉さん 兵庫県 中2男子 保護者)
中学生になると交友関係が広がり、急な出費も増えていきます。 全てを定額で賄うのが難しい場合、ルールを決めた併用が有効です。
定額制で「やりくり」を学び、予測不能な支出は都度払いで補う。 この「ハイブリッド型」をメリットに感じている意見が見られました。
▼アドバイス3. お金を「管理する力」を育てる機会にする「家庭それぞれの事情があるとは思いますが、出来ることなら毎月一定額を渡してお小遣い帳など自己管理する習慣を身につけさせるのが良いと思います。欲しいもののために貯金したり、節約することを考えたりすることは良い学びの機会になると思います。」(マックさん 宮城県 中1男子 保護者)
「物価高とはいえ、子どものお小遣いは趣味嗜好品にあてるものなので、安易に増額する必要はないと思います、大人が貰う給料はそんなにすぐには上がらないのですから。それよりも物価高の世の中だからこそ、決まった金額でお金をやりくりすことを教える良い機会ではないでしょうか。」(野良黒さん 岩手県 中1男子 保護者)
お小遣いを単なる「消費のための資金」として渡すのではなく、 将来に向けた「金銭教育」の場として活用することを勧める声も多くありました。
失敗も含めて経験させることで、お金の重みを実感できるようになります。お小遣いは、社会に出る前に自分のお金をコントロールする予行練習としてとらえるとよさそうです。
■物価高を「お金の教育」に変える親子対話を
今回の調査の結果、物価高のなかでも中学生のお小遣い平均額は3332円と、 前回調査からほぼ横ばいであることが分かりました。
多くの家庭では金額を安易に引き上げるのではなく、ルールの見直しで対応しています。
お小遣いは、子どもが金銭感覚を磨くための重要な「生きた教材」です。 限られた予算で優先順位を判断する経験は、将来の自律に直結します。 物価高の今こそ、親子でお金について真剣に話し合う絶好の機会といえるのかもしれません。
金額の正解は家庭ごとに異なり、「唯一の正解」はありません。 本記事が、それぞれの家庭に合った「お小遣いの形」を考えるきっかけになれば幸いです。子どもが主体的に管理能力を育めるよう、まずは親子での対話から始めてみてください。
■アンケート調査概要
調査対象:中学生の子どもをもつ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年12月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「中学生のお小遣い」に関する実態調査
※アンケートのコメントは原文ママです
※本調査レポートの内容(グラフ・データ・本文など)の無断転載・改変を禁じます。掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『中学生のお小遣い』に関する実態調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/43806/)へのリンク設置をお願いします。
この記事の執筆者:塾選ジャーナル編集部
『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。









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