こうした案はどのような背景から浮上しているのでしょうか。
本記事では『皇室論 なぜ天皇は男系でなければならないのか』(竹内久美子・著/方丈社)より一部を抜粋・編集し、皇位継承問題を巡る議論と旧宮家養子案について紹介します。
■皇位継承の危機、男系男子の皇統をどう維持するのか
最近、皇統の危機が問題視されているのはご承知のとおりです。今上陛下のお子さまは愛子さまお一人。ならば皇室典範を改正して、女性天皇、女系天皇を認めてはどうかと主張する人たちがいます。
しかし、実在が確認されている天皇から数えても、1500年の長きにわたって維持されてきた「皇位は男系男子によってのみ受け継がれる」という歴史の重みを考えれば、「女性天皇・女系天皇容認論」は目先のことにとらわれた浅薄な発想で、思慮に欠けていると言わざるを得ません。
「女性天皇・女系天皇容認論」を議論する前に、どうすれば男系男子による皇統が維持できるのかをまず考えるべきでしょう。
そのときに重要な役割を果たしていただける存在として、いま旧宮家の方々が注目されているのです。
■皇位継承の危機で注目される「旧宮家養子案」
戦後、皇籍を離脱した宮家のうち、すでに廃絶になっているのは、山階宮、梨本宮、北白川宮、閑院宮、東伏見宮の5宮家。廃絶が確定的なのは、伏見宮、朝香宮の2家。よって賀陽宮、久邇宮、東久邇宮、竹田宮の4家が現存する宮家となります。
途絶えてしまった宮家が数多く出た大きな要因は、明治以降に皇族の養子を禁止したからです。
しかし、いまは皇族方の人数は極めて少なく、しかも男子が少ない状況にあります。それで皇統の危機が叫ばれているわけです。
となれば、皇族方の人数を増やす方法を考えればよいだけのこと。その有効な方法が養子縁組の復活です。
今も存続している旧宮家のしかるべきお方にお願いして、養子として皇室に入っていただく。こうして皇族方の人数を増やせばよいのではないか……、こうした発想に行きつくのは、ごく自然なことでしょう。
幸いなことに旧4宮家には若い男系男子がおられます。2021年の段階で、賀陽宮家に2人、久邇宮家に1人、東久邇宮家に6人、竹田宮家に1人おられます。
竹田恒泰氏によると最近「旧宮家は出産ラッシュ」だそうです。ご本人も2人のお子さまをもうけており、第一子は女の子、昨年(編集部注:2024年)第二子が生まれたそうですが、性別は明らかにされていません。
■皇室と旧宮家はどのような関係にあるのか
皇室と旧宮家は「分かれてそれきり」ではありません。
今上陛下の祖母にあたる香淳皇后(昭和天皇の皇后)のように、宮家から天皇の后になるなど、宮家との間には常に血の交流がありました。
昭和天皇は11宮家が臣籍降下した際、いつ皇族として復帰してもよいよう心掛けるようにとおっしゃり、「菊栄親睦会」という皇族と旧宮家との交流の場をお作りになりました。
最近では、2014年(平成26年)5月18日に「天皇陛下傘寿奉祝菊栄親睦会大会」が開かれました。このように数年ごとに皇族と旧宮家の方々が集まり、親交を保っておられます。
■皇室と旧宮家の近い関係
旧皇族は宮中祭祀に参加なさるほか、宮中で行なわれる新年祝賀の儀や園遊会にも招かれています。
明治天皇の皇女である北白川房子さん、昭和天皇の皇女である池田厚子さんたちは伊勢神宮の祭主に就いてこられました。現在の祭主は、上皇陛下の第1皇女であり、今上陛下の妹である黒田清子さんが務めておられます。
ほかにも伊勢神宮の大宮司を久邇家、北白川家などが務めていますし、現在は久邇朝尊さんがその任に就いておられます。ちなみに久邇朝尊さんの妹である晃子さんは、今上陛下の有力なお妃候補として女性誌にお名前が載るほどでした。
宮内庁の職員の中にも北白川祥子さん、賀陽正憲さん(今上陛下のご学友)たちがおられました。
このように、いまでも皇族方の身近には旧宮家の方々が多くおられ、皇室とは近しい関係を維持しています。
■旧宮家養子案は現実的な選択肢なのか
いまでも存続している旧宮家の男系男子のどなたかが養子になって皇籍復帰していただくことは、皇統の危機を回避する方策として、きわめて現実的です。
私たち一般の国民にあてはめれば、親戚の家の男子と養子縁組するのと同じことなので、国民の理解も得やすいと思います。
旧宮家の男系男子を養子として迎えるか旧宮家自体を皇籍復帰させるという案が、2021年に行われた、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の結論の一部に盛り込まれています。
ところが「旧宮家の男性の中には、すっかり庶民の自由な生活に慣れ、いまさら制約が多く自由が少ない皇籍に復帰するなんてと嫌がっている方がいる」と、まことしやかに言う人たちがいます。
しかし私に言わせれば、こうした主張は見当外れの勘繰りか、皇統の危機を助長させたい人たちが意図的に言っているとしか思えません。
つまり、徐々に皇室の継続を弱め、最終的には皇室を廃絶させたいと考えている人たちの下心が透けて見える「ためにする議論」ではないでしょうか。
■なぜ旧宮家の養子候補は沈黙を守るのか
養子候補とみられる方は自ら「皇籍に復帰する意志がある」などと言うわけにはいかないので、沈黙を守っておられるはずです。
もし、そのような意志を公にすれば、左翼などがその方のスキャンダル探しに躍起になって、「養子候補つぶし」に発展しかねません。
旧宮家の皇籍復帰は皇族数の確保と安定的な皇位継承の解決につながり、旧宮家からの養子案は現実的な方策です。
旧宮家の養子候補の方々は、自分の家の歴史、お役目を考えたなら、国民や政府からの要請さえあれば、必ずや覚悟を持って皇籍復帰されるはず。私はそう考えています。
実際、要請があれば応ずる覚悟であるという方が何人かいらっしゃるということを耳にしています。
この書籍の執筆者:竹内久美子 プロフィール
1956年、愛知県生まれ。作家、動物行動学研究家。京都大学理学部卒業。同大学院で日高敏隆教授に動物行動学を学ぶ。博士課程を経て著述業に。『そんなバカな!』(文藝春秋)で第8回講談社出版文化賞科学出版賞を受賞。主な著書に『女は男の指を見る』『本当は怖い動物の子育て』(以上、新潮新書)、『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本の心』(文藝春秋)、『皇室論 なぜ天皇は男系でなければならないのか』(方丈社)など。
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年10月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61-wQA+eveL._SL500_.jpg)
![Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2024年 10月号[日本のBESTデザインホテル100]](https://m.media-amazon.com/images/I/31FtYkIUPEL._SL500_.jpg)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年9月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51W6QgeZ2hL._SL500_.jpg)




![シービージャパン(CB JAPAN) ステンレスマグ [真空断熱 2層構造 460ml] + インナーカップ [食洗機対応 380ml] セット モカ ゴーマグカップセットM コンビニ コーヒーカップ CAFE GOMUG](https://m.media-amazon.com/images/I/31sVcj+-HCL._SL500_.jpg)



