2026年の冬ドラマとして、さまざまなジャンルの作品が放送されました。今クールは深夜ドラマも面白く、全体的に作品のレベルが高かったように感じます。


そこで今回は、全てのドラマを視聴している元テレビ局スタッフの筆者が、独断と偏見で選んだ「面白かった冬ドラマTOP5」を公開。民放テレビ局で放送されたドラマだけに限定し、NHKやWOWOWなどの作品は除外しました。

それでは、TOP5に選んだドラマを、最終回の結末など極力ネタバレをしない形で紹介します。とはいえ、多少のネタバレは含まれていますので、まだ見ていない人は注意してください。

■第5位:『夫に間違いありません』(フジテレビ系)
5位に選んだのは、松下奈緒さんが主演を務めた『夫に間違いありません』です。同作は、松下さん演じる主人公の朝比聖子が、夫の遺体を誤認して巨額の保険金を受け取ったところからスタートするヒューマンサスペンス作品。死んだはずの朝比一樹(安田顕)が一年後に聖子の目の前にひょっこり現れ、保険金を巡ってさまざまなトラブルを起こします。

夫婦で共謀して保険金を不正受給するのですが、それがきっかけで聖子はさまざまな人物から追い込まれることに。しかも、共謀していた一樹にも裏切られ、事態はどんどん悪化します。

序盤では、意志が弱い一樹のクズっぷりが話題となり、安田さんが視聴者から総スカンを食らう“ダメ男”を熱演。さらに、夫婦はゴシップ誌の記者・天童弥生(宮沢氷魚)に真相を捕まれ大ピンチに陥ります。

中盤から終盤にかけては、天童だけでなく行方不明の夫を探すシングルマザー・葛原紗春(桜井ユキ)も聖子と対立。
紗春は、登場した時は気のいい女性でしたが、聖子の秘密を知ると保険金を奪い取ろうとする悪女に変身します。さらに、最終回には意外な事実も判明することに……。

演技派の桜井さんが、難しい役の紗春を丁寧に演じ作品を盛り上げました。最終回にかけては聖子が闇落ちする場面もあり、思いも寄らない結末を迎えたドラマとなります。松下さん、桜井さんだけでなく、演技派がそろったドラマとして最後まで楽しませてくれました。

■第4位:『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ系)
4位には『東京P.D. 警視庁広報2係』を挙げます。視聴率はそこまで高くない作品でしたが、これまで刑事ドラマであまりスポットが当たらなかった「警視庁広報課」を舞台にした完全オリジナル作品として評価します。

福士蒼汰さんが主演を務め、ベテランの緒形直人さんと初タッグを組みました。「season1」はフジテレビ系で放送され、「season2」はFODで独占配信される、新たな試みのドラマとしても注目です。

同作の魅力は、警視庁記者・報道記者を経験したスタッフが原案を手掛けたリアリティーのある脚本。福士さん演じる今泉麟太郎は、広報課2係に異動したばかりの元刑事です。2係は主に報道担当をする部署で、テレビ局や新聞社の記者たちとしのぎを削る様子が描かれます。
テレビ局に在籍していた筆者から見ると、広報課の描き方が非常にリアルで、しっかりと脚本が作り込まれている印象です。

また、誘拐事件における報道協定など、警察とマスコミの裏側もしっかり描かれ、勉強になるドラマに。FODで配信される「season2」でも、さらに警察の裏側が描かれそうです。

■第3位:『元科捜研の主婦』(テレビ東京系)
3位は、松本まりかさん主演の『元科捜研の主婦』でした。テレビ東京と講談社が共同で原作を開発したドラマで、かつて“科捜研のエース”と呼ばれ、いまは専業主婦となった吉岡詩織が主人公。夫と息子のために家事に向き合う詩織が、科学的推理を使ってさまざまな難事件を解決する姿が描かれました。

『元科捜研の主婦』が面白いのは、詩織があくまで専業主婦というポジションを貫いたところです。事件は、捜査一課に異動したばかりの新米刑事である夫・道彦(横山裕)が担当し、詩織は助言するポジションを取ります。そんな中で、真実を知りたい欲求にかられる詩織は、元職場の科捜研に協力してもらい事件を解決する証拠を探ることに……。これまでになかった設定の刑事ドラマとなり、ドラマファンに新たな感動を提供しました。

道彦を演じた横山さんの演技も素晴らしく、どこか頼りない新米刑事を見事に演じています。刑事ドラマといえば、メインキャストの刑事はバシバシと事件を解決していくのが定番です。
同作では、詩織が事件を解決することが多く、道彦は刑事としての勘は働くものの、事件解決にはあまり役立っていませんでした。しかし、妻や息子だけでなく全ての人に優しく、思いやりがある道彦のキャラクターが、『元科捜研の主婦』という特殊な刑事ドラマを盛り上げていました。横山さんは父親役に初挑戦しましたが、よきパパを丁寧に演じることに成功。ホームドラマとしての魅力も引き上げ、演技派の松本さんと共に作品を面白くしました。

■第2位:『リブート』(TBS系)
2位は、鈴木亮平さんが主演を務めた日曜劇場『リブート』です。鈴木さんが一人二役に挑戦し、妻殺しの罪を着せられたパティシエ・早瀬陸と、悪徳刑事・儀堂歩を担当。早瀬が自らの潔白を証明するために、儀堂に“顔を変える=リブート(再起動)”し、真実を追うエクストリームファミリーサスペンスです。

『リブート』はとにかくストーリーが複雑で、コロコロと敵と味方が入れ替わる展開が魅力。初回から伏線が多く、日曜劇場の作品らしく見応えのあるドラマに仕上がりました。終盤では、謎の多かった幸後一香(戸田恵梨香)が、殺されたはずの陸の妻・夏海が“リブート”したキャラクターだったことが判明。1話でも見逃すと置いていかれそうなストーリー展開の早さで人気を集めました。

裏社会で暗躍する合六亘を演じる北村有起哉さんをはじめ、永瀬廉さん、伊藤英明さん、黒木メイサさんなど実力派の俳優が多く出演したのも魅力。
巨悪の根源である合六に立ち向かう、鈴木さんと戸田さん演じる“最強リブート夫婦”の壮絶な戦いが最終回に向けて描かれ、多くの視聴者を感動させています。



■第1位:『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)
そして1位は、竹内涼真さん主演の『再会~Silent Truth~』でした。前評判も高かったドラマで、第56回江戸川乱歩賞を受賞した横関大さんの小説『再会』(講談社)が原作。竹内さんは刑事の飛奈淳一を演じ、淳一の初恋相手・岩本万季子を井上真央さんが担当しました。

同作は、小学生時代に凶悪事件で使われた拳銃を桜の木の下に埋めた“秘密”を共有する4人の幼なじみを中心に描かれます。竹内さん、井上さんのほかに、瀬戸康史さん、渡辺大知さんが同級生役を担当。とある殺人事件をきっかけに、大人になった4人が宿命的な再会を果たすことから始まる、切ないヒューマンラブミステリーとなりました。

殺人事件の犯人を探すことより、4人がそれぞれ抱えるトラウマや思いが丁寧に描かれたことで、単なるミステリー作品にならなかったことが高評価のポイントです。

4人のメインキャスト以外にも、江口のりこさん、北香那さん、上川周作さん、段田安則さんなど、演技派が勢ぞろいしたのも魅力。特に、クセが強過ぎる刑事・南良を担当した江口さんは怪演技を連発し、ドラマを盛り上げました。最終回の結末には賛否両論が巻き起こりましたが、全体的なバランスがよく視聴率も好調だったことで、1位としています。

ここまで取り上げた5作品以外にも、『相棒 season24』(テレビ朝日系)や『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)、『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)など、冬ドラマは注目作が目白押しでした。
作品はTVerをはじめ、各配信サービスで見逃し配信されています。気になった作品があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
この記事の執筆者: ゆるま 小林
長年に渡ってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
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