会社員などの給与所得者で、自分は所得税をいくら支払っているのか、を意識している人は少ないと思います。ましてや、住民税となるともっと少ないようです。
今回は、年収300万円、年収500万円、年収1000万円の人の所得税、住民税について試算してみました。

■年収300万円、年収500万円、年収1000万円が払う税金はいくら?前提条件を設定
今回は、会社員(給与所得のみ)が年収300万円、年収500万円、年収1000万円であった場合の所得税(復興特別所得税は考慮外)と住民税(所得割のみ/調整控除は考慮外)の試算を行ってみます。前提条件として、社会保険料は年収の15%、所得控除は基礎控除のみ(税額控除なし)として計算します。

■年収300万円の場合の所得税と住民税、社会保険料
所得税の計算
300万円(給与年収)-98万円(給与所得控除)-45万円(社会保険料控除)※-88万円(基礎控除(令和7年・8年のみ))=69万円
69万円×5%(税率)=3万4500円
したがって所得税額 3万4500円

住民税(所得割)の計算(税率10%と仮定)
300万円(給与年収)-98万円(給与所得控除)-45万円(社会保険料控除)-43万円(基礎控除)=114万円
114万円×10%(税率)=11万4000円
したがって住民税額 11万4000円

※社会保険料の計算
300万円×15%=45万円

年収300万円の場合の所得税、住民税、社会保険料の合計額
3万4500円(所得税)+11万4000円(住民税)+45万円(社会保険料)
=59万8500円 ⇒ 約20%(年収に占める割合(59万8500円/300万円))

■年収500万円の場合の所得税と住民税、社会保険料
所得税の計算
500万円(給与年収)-144万円(給与所得控除)-75万円(社会保険料控除)※-68万円(基礎控除(令和7年・8年のみ))=213万円
213万円×10%(税率)-9万7500円(控除額)=11万5500円
したがって 所得税額 11万5500円

住民税(所得割)の計算(税率10%と仮定)
500万円(給与年収)-144万円(給与所得控除)-75万円(社会保険料控除)-43万円(基礎控除)=238万円
238万円×10%(税率)=23万8000円
したがって住民税額 23万8000円

※社会保険料の計算
500万円×15%=75万円

年収500万円の場合の所得税、住民税、社会保険料の合計額
11万5500円(所得税)+23万8000円(住民税)+75万円(社会保険料)
=110万3500円 ⇒ 約22%(年収に占める割合(110万3500円/500万円))

■年収1000万円の場合の所得税と住民税、社会保険料
所得税の計算
1000万円(給与年収)-195万円(給与所得控除)-150万円(社会保険料控除)※-58万円(基礎控除)=597万円
597万円×20%(税率)-42万7500円(控除額)=76万6500円
したがって所得税額 76万6500円

住民税(所得割)の計算(税率10%と仮定)
1000万円(給与年収)-195万円(給与所得控除)-150万円(社会保険料控除)-43万円(基礎控除)=612万円
612万円×10%(税率)=61万2000円
したがって住民税額 61万2000円

※社会保険料の計算
1000万円×15%=150万円

年収1000万円の場合の所得税、住民税、社会保険料の合計額
76万6500円(所得税)+61万2000円(住民税)+150万円(社会保険料)
=287万8500円 ⇒ 約28.8%(年収に占める割合(287万8500円/1000万円))

■それぞれの負担率は?
給与年収300万円の場合、約20%。
  〃 500万円の場合、約22%。
  〃 1000万円の場合、約28.8%。

実に20~30%程度の、所得税、住民税、社会保険料を負担していることになります。

■所得税と住民税だけでみると……
所得税と住民税だけでみると、負担率は……

給与年収300万円の場合、約5%(14万8500円/300万円)
  〃 500万円の場合、約7%(35万3500円/500万円)
  〃 1000万円の場合、約13.8%(137万8500円/1000万円)

となり、5~15%程度を負担していることになります。

■所得控除を検討する際には?
会社員などの給与所得者で、年末調整で納税手続きが完了している人の場合には、確定申告をするのが面倒なため、医療費控除や寄附金控除など、所得控除を諦めてしまう人もいるようです。

そんな人は、一度、自分の負担率(例:5~15%(所得税と住民税))をもとに、どのくらい所得控除の効果があるのか、について計算してみてはいかがでしょうか。

もしかすると、想定以上の結果になるかもしれません。

また、現在ではスマートフォン・タブレットに最適化したデザインの画面を利用して、ICカードリーダライタなしでも所得税の確定申告書が作成・申告できるようになっています。
今まで確定申告をしていなかった人も、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

文:坂口 猛(ファイナンシャルプランナー)
税務大学校を卒業後、税理士事務所にて約7年間勤務。大手上場企業等で、財務・会計・税務に従事した後、独立。税金・相続・会計に強い実務派FPとして活躍中。相談業務や、執筆活動をおこなっている。
編集部おすすめ