今回は、60歳以降に国民年金保険料を納めたい人からの質問です。
■Q:60歳以降、会社員でも、過去に支払っていない5年間の国民年金保険料を納める方法はありますか?
「60歳の会社員です。国民年金の未納期間が5年間あります。支払っていない期間分の国民年金保険料を払いたい(国民年金の任意加入制度)のですが、60歳から65歳まで厚生年金を支払う会社員として働いた場合は、任意加入できないといわれました。65歳で老齢年金を受給するときに満額に近づけたいのですが、今から納める方法はありませんか?」(gushiさん)
■A:60歳以降に会社員として厚生年金に加入して働く場合は、国民年金保険料は払えません
60歳以降に、会社員として厚生年金に加入して働く場合、国民年金に任意加入して、国民年金保険料を支払うことはできません。
ただし、60歳以降も厚生年金に入って働くことで、将来もらえる老齢厚生年金が増額されます。仮に月収25万円で働いた場合、老齢厚生年金が1年間で1万6000円程度増額されますのでメリットは大きいでしょう。
さらに、20歳から60歳までの国民年金の加入期間(厚生年金・共済年金期間含む)で保険料を納付した期間が40年間に満たない人が、60歳以降厚生年金に加入して働いた場合、65歳以降「経過的加算」として将来もらえる老齢厚生年金額が増えるでしょう。1カ月厚生年金に加入して働くと、月約1730円(1年間の厚生年金加入で年約2万760円)、老齢厚生年金が増額するので、国民年金保険料を任意加入で支払うのと同程度、年金額が増える可能性があります。
もし相談者「gushiさん」の20歳から60歳までの国民年金の加入期間(厚生年金・共済年金期間含む)のうち保険料を納付した期間が40年ある場合、「経過的加算」による増額は少額と思われますのでご注意ください。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。
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