先日、こんな質問をいただきました。

「株主優待が欲しくて買いたい株があります。
しかし、受け取れる株主優待以上に株価が下がって損をしてしまいそうで心配です。何か気をつけるべきことはありますか?」

今回は、この質問にお答えします。

■株主優待とは?
「株主優待って何?」と思っている方もいるでしょう。少しだけ株主優待について説明します。

株主優待は、配当金や売買差益(値上がり益)と並ぶ、株式投資で得られるリターンの1つです。投資先によっては、投資先の企業から贈り物を受け取れるのです。

株主優待で受け取れる贈り物は、ふるさと納税と同じように多岐にわたります。食品や金券、商品券、自社商品など、投資先の企業によって、幅広い優待を受け取ることができます。

とはいえ、「いろんな種類のプレゼントを受け取れる!」というと聞こえがよいのですが、株式投資にリスクはつきものです。投資先を間違えてしまうと、受け取る株主優待以上に損をしてしまうので注意が必要です。

■株主優待で損しないための注意点
株主優待で損しないための注意点について、結論から書くと「株主優待が廃止または休止されそうなくらい業績が悪い株」は、避けるべきでしょう。

1つ実例を挙げると、2023年に株価が急落したJFLAホールディングスという会社があります。


JFLAホールディングスといえば乳製品の生産加工や食品卸の会社です。2020年までは「牛角」のフランチャイズ事業も行っていました。

JFLAホールディングスは、2021年3月期から赤字が続いています。

2023年3月期の配当はゼロ。業績は赤字。経営再建も難航。そんなJFLAホールディングスの株は、株主優待以外には大きな魅力が思いつきません。

そしてついに、同社は2023年に株主優待を休止しました。優待の休止が発表されると、株価は真っ逆さまに下落し、半値近くになってしまいました。
株主優待で損しないための「注意点」って何?
JFLAホールディングスの株価チャート(TradingViewで作成)

こういった失敗を避けるためには、足元の業績が黒字かつ足元で伸びている会社を選びましょう。

■まとめ
要点をまとめると以下の3点に集約できます。

◯株主優待とは、投資先からもらうことのできるプレゼントのこと
◯株主優待は一見魅力的だが、廃止や休止されると株価が大きく下がる恐れがある
◯上記リスクを避けるには、足元の業績が黒字かつ足元で伸びている会社を選びたい

2024年から新しいNISAが始まり、一念発起して「株を買おう!」という方も多いでしょう。


個別株は玉石混交です。本記事で紹介したように大きく下がる株もありますから、そうならないように、なるべく成長性が高く、配当や優待の利回りが高い会社を選びましょう。

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
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