ナッツとは、いわゆる「木の実」のことです。堅い殻に包まれた植物の種子で、そこから発芽して新しい植物体が育つわけですから、当然のように、非常に多くの栄養が凝縮されています。


最大の特徴の1つは、コレステロール値を下げると考えられる「オレイン酸」などの健康によい脂質を多く含んでいることです。また、骨や血液の健康維持に役立つマグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。

さらに、腸内環境を整えて便秘解消をサポートする食物繊維や、抗酸化作用のあるビタミンE、エネルギー代謝を助けるビタミンB群(B1、B6、葉酸など)も豊富です。まさに、小さな一粒に美容と健康の維持に役立つ成分が詰まっているのです。

■食べ過ぎに注意! 健康のための適量は「1日30粒くらい」まで
ただし、こうしたナッツの長所を生かすためには、「適量を守ること」が重要です。1日に30粒くらいまでが適量とされています。

ナッツはおいしいですし、軽く塩味がついていたりすると食欲が刺激され、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。私自身も、目の前にあると「あともう少し、あともう少し」とつまんでしまい、全てなくなるまで食べつくしてしまうことがしばしばあります。

しかし、体によい脂質が含まれているとはいえ、食べ過ぎるとカロリー過多になり、太る原因になります。また、適量なら便秘の解消につながる食物繊維も、とり過ぎると水分を吸収して、逆に便秘になってしまうこともありますので、注意が必要です。

■ナッツの上手な選び方……無塩・素焼き・小袋で栄養の偏りを防ぐ
食べ過ぎを防ぐために、ナッツ好きの私自身は、以下の3点を心掛けて工夫しています。

・「小袋のもの」を1つだけ買う:あれば食べてしまうので、余計に買い置きしないようにしています
・「無塩・素焼き」を選ぶ:塩味がついているものは食塩のとり過ぎになるため、味のついていないものを選びます
・「多種類」をバランスよく:一種だけでなく、いろいろな種類のナッツを食べることで、栄養の偏りを防げます

食べ過ぎないように注意しながら、ナッツが持つ本来の健康効果をしっかりと引き出していきましょう。


▼阿部 和穂プロフィール薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
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