パーソナルカラー診断とは、肌や髪、瞳の色など、個人の持つ色素の特徴に基づいて、その人に似合う色(顔映りのよい色)を診断する方法。

イエベ(イエローベース)とブルベ(ブルーベース)の2つのタイプに分類し、色のトーン(明るさ・濁り・鮮やかさ)の要素を加味して、「スプリング(春)」「サマー(夏)」「オータム(秋)」「ウィンター(冬)」の4つのタイプに分類する方法が一般的です。


より細やかに似合う色の傾向を見ていく方法は昔からありましたが、パーソナルカラーの4シーズンとともに、8分類、16分類なども広く知られるようになってきました。

今回は、パーソナルカラー診断の分類方法の特徴について解説します!

■イエベとブルベとは?
イエベとブルベは、パーソナルカラー診断ならではの特徴の1つ。イエベとブルベの特徴は以下のとおりです。
パーソナルカラーの16分類とは? メリットとデメリットを解説!
イエローベースの人に似合うウォームな色、ブルーベースの人に似合うクールな色

▼イエべ(イエローベース)肌色:黄みが強い、暖かいオークル系の肌
瞳の色:明るいブラウン、赤みを帯びたブラウン
髪の色:黄みを帯びた黒髪やブラウン
似合う色:黄みを帯びた色、暖かく柔らかい色

▼ブルベ(ブルーベース)肌色:青白い、ピンクがかった肌
瞳の色:黒目が濃い、グレーがかったブラウン
髪の色:アッシュ系、青みがかった黒髪やブラウン
似合う色:青みを帯びた色、冷たくクリアな色

イエベとブルべの2分類は、初心者でも直感的に理解しやすくすぐに活用できる反面、単純化しすぎるのが難点です。また、イエベとブルベが混ざるグリべ(グリーンベース)には、対応が難しいというデメリットもあります。

■パーソナルカラー診断の4シーズンとは?
イエベとブルベの2分類に、色のトーン(明るさ・濁り・鮮やかさ)の要素を加味して、4つのタイプに分類する方法を4シーズンと呼びます。イエベはスプリングとオータムに、ブルベはサマーとウィンターに分類されます。
パーソナルカラーの16分類とは? メリットとデメリットを解説!
4シーズン(スプリング、サマー、オータム、ウィンター)に似合う色

▼スプリング(イエベ)若々しく、フレッシュで明るい印象
似合う色:明るく鮮やかで暖かい色
似合う色合い:春の花畑や、新緑の明るい景色を連想させる色合い

▼サマー(ブルベ)優雅で涼しげな印象
似合う色:柔らかく涼しげでソフトな色
似合う色合い:夏の涼やかな風や、薄い霧に包まれた風景を連想させる色合い

▼オータム(イエベ)落ち着いていて温かみのある印象
似合う色:深みがあり濁りを帯びた暖かい色
似合う色合い:秋の紅葉や、深い森を連想させる色合い

▼ウィンター(ブルベ)クールで華やか、存在感のある印象
似合う色:鮮やかでシャープな冷たい色
似合う色合い:冬の雪景色や、都会の夜の輝きを連想させる色合い

4つのタイプの特徴は広く知られるようになってきたとはいえ、細かいニュアンスが十分に伝わっていない場合もあります。とはいえ、4シーズンは視覚的に分かりやすく、各タイプの似合う色がまとまっており、活用しやすいのがメリットです。

■パーソナルカラー診断の16分類とは?
4シーズン(スプリング、サマー、オータム、ウィンター)を細分化し、8分類、12分類、16分類、24分類……というようにタイプ数を増やす方法もあります。ただし、カラリストによって細分化する方法やタイプの名称は異なるため、統一されたものはないのが現状です。ここでは、16分類の一例を解説します。


▼ライトスプリング若々しくフレッシュな印象
明るく軽やかで、黄みを含む柔らかい色が得意
例:ペールイエロー、コーラルピンク、アイボリー

▼ウォームスプリング元気で親しみやすい印象
温かく鮮やかで、黄みが強い色が得意
例:ゴールデンイエロー、ピーチ、トマトレッド

▼クリアスプリング華やかで目を引く印象
鮮やかで明るく、黄みを帯びた色が得意
例:エメラルドグリーン、ターコイズブルー、クリムゾンレッド

▼ミューテッドスプリング(ソフトスプリング)ナチュラルで柔らかい印象
くすみが少し入った暖かい色が得意
例:ダスティピーチ、サンドベージュ、ライトカーキ

▼ライトサマー爽やかで優しい印象
明るく涼しげで、青みを帯びた柔らかい色が得意
例:ベビーピンク、ラベンダー、スカイブルー

▼クールサマーエレガントで洗練された印象
涼しげで青みが強く、シャープな印象の色が得意
例:ローズピンク、ブルーベリー、シルバーグレー

▼ソフトサマー穏やかで落ち着いた印象
くすみのある青みを帯びた柔らかい色が得意
例:ダスティブルー、モーブ、グレイッシュラベンダー

▼ミディアムサマー(ディープサマー)深みのある優雅な印象
サマーの中でやや濃い青みを含む色が得意
例:プラム、ダークローズ、スモーキーブルー

▼ウォームオータム温もりと豊かさを感じさせる印象
暖かく深みのある黄みを含む色が得意
例:マスタード、テラコッタ、バーガンディ

▼ディープオータムシックで重厚感のある印象
深く濃い黄みの色が得意
例:チョコレートブラウン、ダークオリーブ、ダークオレンジ

▼ソフトオータム穏やかでリラックスした印象
くすみのある暖かい色が得意
例:モスグリーン、カメル、トープ

▼ミューテッドオータム(ダスティオータム)アースカラーが得意な印象
くすみが強く、黄みを含むニュアンスカラーが得意
例:グレイッシュカーキ、オールドゴールド、ブラウニッシュオレンジ

▼クリアウィンタードラマチックで目を引く印象
鮮やかでコントラストの強い冷たい色が得意
例:ジェットブラック、ホワイト、エレクトリックブルー

▼クールウィンター上品でクールな印象
涼しげで青みが強く、冷たい色が得意
例:トゥルーブルー、トゥルーパープル、アイスグレー

▼ディープウィンターシックでミステリアスな印象
深みのある濃く冷たい色が得意
例:ダークネイビー、ブラック、ディープバーガンディ

▼ミューテッドウィンター(ソフトウィンター)洗練された穏やかな印象
冬の中でも柔らかく落ち着いた冷たい色が得意
例:ダスティブルー、スレートグレー、チャコールグレー

16分類は、個人の肌色や目の色、髪の色などに最も調和する色をより細かく見つけることができる反面、診断の複雑さや実践の難しさが伴います。メリットを享受するためには、4シーズンの特徴を十分に理解することが早道です。

▼松本 英恵プロフィールカラーコンサルタント歴20年。パーソナルカラー、カラーマーケティング、色彩心理、カラーセラピー、ラッキーカラー(色占い)などの知見を活用し、カラー監修を行う。執筆、メディア出演、講演、企業研修の講師など幅広く活動。近著に『人を動かす「色」の科学』。
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