迷ったこと、ありませんか? 例えば、高額なセミナーや資格取得の講座。スキルアップのつもりで申し込んだけれど、「本当に意味があったのかな……」と後悔した経験がある方もいるのではないでしょうか。
そんなときに大切なのは、始める前に「何のためにそのお金を使うのか」、そして「どんな効果を期待しているのか」を明確にしておくこと。
今回は、自己投資と浪費の境界線をどう見極めるか、そして自分なりの“許せるライン”を見つけるヒントをお届けします。
■浪費か、投資か?判断のカギは「自分の気持ち」
自己投資のつもりで申し込んだ高額なセミナーや資格講座。
「将来のためになるはず」と思ってお金を使ったのに、後から「これ、本当に意味あったのかな……」とモヤモヤしてしまった。そんな経験はありませんか?
その違いを分けるポイントは、金額の大小ではなく、“目的”と“気持ち”が明確だったかどうかです。
例えば、こんな問い掛けをしてみましょう。
・これは今の自分に本当に必要?
・その選択にワクワクしている?
・どんな自分になりたいから、それを選んだのか?
これらの問いにしっかりと「YES」と答えられるなら、それはあなたにとって意味のある“投資”だと言えるでしょう。
逆に、
「なんとなく」
「みんながやっているから」
「やっておいたほうがいい気がした」
といった曖昧な動機で選んだものは、後悔につながる可能性も。だからこそまずは、自分の本音に耳を傾けること。それが、後悔のないお金の使い方につながる第一歩です。
■費用対効果をチェック!“投資ライン”を見極める具体ステップ
「これは本当に“投資”と言える支出なのだろうか?」
そう迷ったときは、次の5つのステップで“支出の価値”を整理してみましょう。
▼①目的を書き出す何のためにその商品や講座にお金を使うのか? 例えば「副業で収入を増やしたい」「人前で話すスキルを磨きたい」など、具体的に書き出してみましょう。
▼②効果の仮説を立てる得られる効果をイメージします。「この講座を受けると、プレゼンがうまくなる」「交流会に参加することで、同業の人とつながれる」など、期待する成果をはっきりさせます。
▼③お試し・比較・情報収集も忘れずにいきなり高額なサービスや教材に飛び付くのではなく、無料セミナーや体験版、口コミなどを活用して、“小さく試す”ことが大切です。数社の資料を取り寄せて比較するのも、賢い選択のコツです。
▼④期間と費用を比較する例えば「1日1時間×週5日を半年間続けて、月2万円の副収入を目指す」といったように、時間・期間・成果のバランスを考えて、現実的なリターンがあるかを見極めましょう。
▼⑤振り返って評価する実際に使ってみてどうだったか?「満足感はあったか」「スキルや結果につながったか」などを振り返って記録しておくと、自分の“投資ライン”が次第に見えてきます。
■まとめ
「これは成長につながる投資だった」「思ったよりリターンが薄かったから、次は見送ろう」
そうやって自分で判断できるようになると、ムダな支出は自然と減っていきます。大切なのは、時間・お金・気持ちをバランスよく使うこと。自分にとっての「価値ある投資」を見極める力を、少しずつ育てていきましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。