そんな中、つい頼りたくなるのが「100円ショップ」です。
でも、“安いから”と買ってしまうと、実は損をしていることも……。今回は、100円ショップの価格戦略の変化も踏まえながら、「インフレ時代にこそ本当に得する買い物の見極め方」をお伝えします。
■なぜ100円ショップがインフレ時代に注目されているのか?
インフレ下での消費者の節約志向が強化され、100円ショップのニーズはより高まっています。
100円ショップ各社は、長く“どの商品も110円(税込)”を売りにしてきました。しかし、原材料費や物流費の高騰、円安の影響を受けて、今まで通りのやり方では利益が出づらくなっています。
そのため、ダイソーやキャンドゥでは300円や500円といった多価格帯商品を展開し始め、セリアはあくまで110円にこだわりながらも、商品の内容量や素材を見直すことでコストを下げるなど、見えない工夫をしています。
つまり、100円ショップは“安さ一辺倒”ではなく、「価格以上の価値をどう提供するか」という工夫を重ねながら、今の時代に合った売り方へと進化しているのです。
■買って得する!100円ショップのおすすめ商品
では100円ショップを取り巻く環境や価格戦略に変化があるインフレ時代の今、100円ショップで買うといいものとはどのようなものなのでしょうか。
▼1. 消耗品・日用品・メラミンスポンジ
・ごみ袋
・掃除シート
・不織布マスク(短時間用)
これらは毎日使うもの。スーパーでは少しずつ値上がりしていますが、100円ショップならまだ据え置き価格で買えることが多く、インフレに強い節約アイテムです。
▼2. キッチングッズ(単機能)・しゃもじ・おたま
・ゆで卵カッターやパスタ容器
・食品保存容器(冷蔵用)
使いやすく、シンプルな構造で壊れにくいキッチン小物は、初めて使う便利グッズのお試しにも最適。
▼3. 文房具・収納グッズ・付箋、メモ帳、ボールペン
・プラスチックケース、仕切りトレー
文具や収納用品は、100円でも十分に実用性があり、種類も豊富。値上がりが目立つ紙製品も、100円ショップでは今なおコスパ抜群です。
▼4. 子ども用アイテム(短期使用)・お弁当用ピックや紙皿
・季節の飾り
・イベント用の小道具
一時的にしか使わないグッズは、100円で済ませるのが正解。子どもが成長するにつれて不要になるものには、高いお金をかけない工夫を。
■実は損をする?買わないほうがよい100円商品
反対に、買うと損するようなものはどのようなものでしょうか。
▼1. 調味料や加工食品(少量パック)見た目はお得に見えても、グラム単価で比較するとスーパーやドラッグストアのほうが安いことも多いです。調味料や乾物は、「ちょっとしか入っていないのに高かった……」と後悔する典型例。
▼2. 電池・USBケーブル・電気小物安くても、持ちが悪かったり、規格が不安定だったりすることがあります。大事な機器を壊したり、安全性に不安があったりする場合も。長く使いたい電気製品は、信頼できるメーカー品を選ぶほうが安心です。
▼3. 包丁・はさみなどの刃物100円のものは、切れ味が悪くすぐに壊れる可能性があります。
▼4. スキンケア・コスメ類肌に直接触れるものは、成分の安全性や使用感が大切。安いからと買って、肌トラブルが起きると、結局高くついてしまいます。
■価格以外の「価値」に目を向けよう!100円ショップとの賢い付き合い方
100円ショップの商品は、全てが「価格=価値」ではありません。
同じ100円でも、「数回使って終わり」か「長く便利に使えるか」で、そのコスパは大きく変わります。インフレが続く中で重要なのは、「安く買う」よりも「損しない買い方をする」こと。
インフレ時代に100円ショップを賢く使うには、次の2つを意識しましょう。
・すぐに消耗するもの・短期使用のものは100円でOK
・毎日使うもの・耐久性が求められるものは100円にこだわらない
「これは100円だけど、1000円分の働きしてくれる!」そんな“掘り出し物”を見つけられたとき、節約生活もグッと楽しくなりますよ。
文:二宮 清子(ファイナンシャルプランナー)
家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。