特に、クラシック音楽から現代音楽まで多様なジャンルを網羅する「音楽大国」としても知られています。
■斬新デザインの新ランドマーク「エルプフィルハーモニー」
ドイツの三大音楽家といえば、「バッハ」「ベートーヴェン」「ブラームス」が挙げられます。クラシック音楽界では「ドイツ三大B」とも呼ばれています。
その1人、ヨハネス・ブラームスはハンブルク生まれ。また、「楽劇王」とも称されたリヒャルト・ワーグナーや、作曲家グスタフ・マーラーらが活躍したハンブルク州立歌劇場も有名です。
現在のハンブルクでランドマーク的存在となっているのが「エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie Hamburg)」です。「エルプ」とは、この施設があるハーフェンシティが面しているエルベ川を指します。2017年1月にオープンしました。
倉庫街の南にあった赤レンガ造りの倉庫上部に、ガラス張りのファサードを増築するという斬新な設計は、東京のプラダ青山店などを手がけたスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)が担当しました。
まるで船を思わせる高さ約111mのこの大きな建物は、世界最高レベルの音響システムなどを備え、いまや世界屈指のコンサートホールとして知られています。
その音響システムを設計したのは、東京都のサントリーホールや米国のウォルト・ディズニー・コンサートホールなど、国内外で知られる音響設計家・豊田泰久氏です。
■世界最長級! 約4分の曲線エスカレーター
上層階にはウェスティンホテルのほか、レストランやカフェ、住居なども入っています。
ガイドツアーではコンサートホール内も見学でき、豊田氏が手がけたグランドホールは、サントリーホールと同様にステージを客席が360度囲む構造で、どの席にも音が降り注ぎます。演奏者と観客との距離の近さも特徴であることがわかります。
その他、世界最長級の全長約82m、先が見えない約4分間の曲線エスカレーターや、地上37mに位置する「プラザ(PLAZA)」と呼ばれる公共スペースから、ハンブルクの港や街を360度見渡せるパノラマビューなども人気です。建築デザインの秀逸さを体感できるスポットでもあります。
■エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie Hamburg)
住所:Platz der Deutschen Einheit 20457 Hamburg, Germany
営業時間:10時~0時(最終入場23時30分、チケットショップは11時~20時)
休業日:12月24日、31日ほか
入場料:無料(専用サイトで日時予約は2ユーロ/人)、ガイドツアーは20ユーロ~
■実は「ビートルズ」の原点がハンブルクにある
誰もが知るロックバンド「ビートルズ」は、イギリス・リバプール出身です。しかし、ビートルズのファンの間では「ビートルズの原点はハンブルクにある」とも言われており、ジョン・レノンが「僕らはリバプールで生まれ、ハンブルクで育った」と語った有名な言葉も残っています。
「ザンクトパウリ(St. Pauli)」にある「レーパーバーン(Reeperbahn)」は、ビートルズゆかりの地です。当時のバンド名は「シルバー・ビートルズ」でした。昔も今も、港町ハンブルク随一の歓楽街で、赤線地区もあるところです。
地下鉄レーパーバーン駅の近くに「ビートルズ広場」があります。メンバーのモニュメントが設置されているほか、足元を見るとレコード盤がデザインされており、有名な曲名も。
当時のメンバーはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、スチュアート・サトクリフ、ピート・ベストであり、リンゴ・スターはまだ加入していませんでした。
■ビートルズが活動したライブハウスは今も健在
また、ビートルズがハンブルクで最初にライブ演奏を行った「インドラクラブ」や、その後に活動した「カイザーケラー」などのライブハウスは、今も残っています。ビートルズはそうしたライブハウスで夜な夜な演奏し、腕を磨いていきました。
メインストリートのGroße Freiheit通りは、昼間は静かですが、夜になるとナイトクラブやバーのネオンがきらびやかに輝き、多くの人で賑わいます。
ただ、日中でも看板などから分かるように、やや際どい雰囲気があり、治安が良いとは言い難いエリアです。歩いて巡る際は十分に注意が必要です。ガイド付きツアーの利用もおすすめです。
■「バレエ都市」ハンブルクの気軽な娯楽
ハンブルクにはほかにも、ブラームスが実際に使用したピアノなどを展示している「ブラームス博物館」や、ハンブルクにゆかりのある他の音楽家を紹介する「KQ博物館」などもあります。
さらに、世界的に著名なバレエ振付家ジョン・ノイマイヤー氏が、2023/2024シーズンまで約50年間率いた「ハンブルク・バレエ団」の公演を、「ハンブルク州立歌劇場」で鑑賞することができます。
ノイマイヤー氏は引退後も、音楽から着想を得た作品などを手掛け続けています。カジュアルな服装で気軽にバレエを観に行けるのも、ハンブルクならではの魅力かもしれません。
<参考>
ドイツ観光局 公式LINE(日本語)
ドイツ観光局 公式Instagram(日本語)
German Travel(英語)
Hamburg Tourismus(英語・ドイツ語)