相次ぐ物価上昇で「もはや老後資金は2000万円では済まないのでは」と、不安が増す昨今。ただ、「現役時代にもっと貯蓄すべきだった」と嘆く人がいる一方で、「元気なうちにお金を使うべきだった」と悔やむ人がいるのも事実です。


実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、東京都在住68歳男性のケースをご紹介します。

■回答者プロフィール
回答者本人:68歳男性
同居家族構成:本人、妻
住居形態:親族など他宅に同居
居住地:東京都
リタイア前の職業:派遣・契約社員
リタイア前の年収:600万円
預貯金:1400万円、リスク資産:150万円
これまでの年金加入期間:厚生年金500カ月

■現在の収支(月額)
老齢基礎年金(国民年金):5万5000円(繰り上げ受給と推察)
老齢厚生年金(厚生年金):12万円(繰り上げ受給と推察)
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし

年金以外の収入:不明

配偶者の年金や収入:なし

支出:11万円

■「リタイア前に、老後を見据えてダウンサイジングした」
現在、およそ預貯金1400万円、リスク資産150万円を保有しているという投稿者。

自身の老後資金について貯めすぎと感じているか、それとも足りないと感じているか、との質問には「ちょうどいい」と回答。

その理由として、「現役引退前に年金のみで生活できるよう5年間徹底的にシミュレーションした。最初は全くうまくいかなかったが徐々に効果が表れて、現役最後の2年間は給料の3分の1で暮らせるようになった。今は年金のみで全ての生活費を賄えている」と語っています。

■「支出を抑えられれば老後の備えは0円でいい」
現役時代は、老後資金として「2000万円」貯めることを目標にしていたそう。

しかし前述のように現在は年金だけで生活できているため、老後資金は実は「いらない」のでは、と感じていると言います。

「唯一金のかかる海外旅行はアルバイト代だけで賄い、年2回行ける。引退後、アルバイト代だけでモロッコ、マルタ、キプロス、コーカサス、インド、ベトナム、ブルネイ、ドイツ、ルクセンブルクに行けたのは、ひとえに支出削減を極めたことにあると確信している」とあります。


■「絶対に必要な支出は実はそれほど多くない」
今の生活の満足度については「満足している」という投稿者。

節約のため「外食はできなくなり全て自炊となったが、腕を磨きさえすれば豊かな食事ができる。アルバイトとボランティアで社会とのつながりがあるため、忙しく充実した日々を過ごしている。趣味の読書は全て図書館利用で無料。ドラマや映画も無料で観られるものを利用」と満ち足りた日々を過ごしておられる様子です。

老後資金に不安を抱えている現役世代には、「自炊や家事など労力を惜しまなければ生活水準を落とすことなく支出削減ができるはず。例えば車を自転車にかえる等、大胆な対策を行なってください。必要だと思い込んでいる支出が実はなんでもないというブレークスルーを見つけてください」とアドバイスされていました。

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